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ユニバーサルエッジとは ―2024年を振り返って―

更新日:1月7日



2024年は、弊社主力商品の次世代型万能包丁「ユニバーサルエッジ」にとって記念になる年でした。


大きな出来事は、新潟と静岡のデザインコンクールでそれぞれ新潟県知事賞と匠賞を受賞したことと、インスタグラムの動画が「1億回」再生され、ユニバーサルエッジが世界中の方々に認知されたことなどです。


今年いただいた2つのトロフィーは、応援してくださったみなさまへの感謝とお知らせ、そして来店するお客様への宣伝も兼ねて、店内の一番目立つところに展示しました。

ユニバーサルエッジのプロモーションビデオと合わせ、お客様との会話や実演をさせていただくきっかけにもなっています。



店内の様子



左:「グッドデザインしずおか2024(匠賞)」

右:「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2024(新潟県知事賞)」





◎ユニバーサルエッジとは


動画の1億回再生の後はSNSの反応も急増し、「ユニバーサルエッジ」や「PROCEED」という言葉について「それは何ですか?・これまでの包丁と違うのですか?」というお問い合わせが増えました。

みなさまからお問い合わせいただくことで、私自身が包丁の基本をもう一度ふり返り、包丁に関する様々なことの「再確認・再定義」をする機会になりました。


2024年の締めくくりに一度整理したいと思います。



・ユニバーサルエッジとは

ユニバーサルエッジとは、包丁の「新カテゴリー」の呼称です。

高性能化された近年の刃物用鋼材と、レストランでの10年の実務経験、そして150丁の包丁の研究によって「次世代型家庭用万能包丁」として誕生しました。

刀身の形はとてもシンプルで、家庭用の万能包丁として理にかなったものです。


ユニバーサルエッジのような刃付けは、洋包丁が登場して間もないころから、シェフが個人的に砥いだものとしては多く存在していたと思います。

しかし、刃先厚や砥ぎ角が数値化され、新品状態からその刃付けで量産されたものは世界初です。



下図は「ユニバーサルエッジ」を簡単に表現したものです。


【カテゴリーのイメージ】





【刀身の断面形状のイメージ】


和包丁は「片刃・裏スキあり」の組み合わせ、洋包丁は「両刃・裏スキなし」の組み合わせ、そしてユニバーサルエッジは、和と洋の融合と言える「片刃・裏スキなし」の組み合わせです。

※詳しくは「ユニバーサルエッジとは ―2つの進化の合流点―」を参考に→こちら




◎従来型万能包丁(洋包丁)との違いは?


従来型万能包丁との違いは、主に「薄切りの刃離れ効果」と「砥ぎやすさ・汎用性・安全性」などです。

その他、「理論上優れているもの」から「はっきりと差がわかるもの」まで、多くの面で性能が向上しています。


以下の「性能比較表」を参考にしていただければと思います。



性能比較表



以下概念図の右側が次世代型万能包丁「ユニバーサルエッジ」です。

左側と中央が従来型万能包丁です。


概念図






◎ユニバーサルエッジという言葉の由来


上にも書いたように、ユニバーサルエッジは、包丁の「新カテゴリー」の呼称です。


たとえば「スマホ」は、パソコンでもなくガラケーでもないので「スマホ」という新しいカテゴリーが登場しましたが、「ユニバーサルエッジ」もそれと同じで、和包丁でもなく洋包丁でもなく「ユニバーサルエッジ」という新しいカテゴリーです。


この言葉を使う前には「片刃のシェフナイフ・片刃の牛刀」などと表現していました。

しかし包丁メーカーの方々との会話の中で「シェフナイフは両刃と決まっている(だから片刃はシェフナイフとは呼べない)」「片刃と言うなら裏スキがなければいけない(だから片刃ではない)」など、誤解が生じることもありました。


そのような状況から「新型万能包丁」という言葉に置き換えてみたのですが、やはりそれでも伝わりにくく、「包丁業界の方々が慣れ親しんだ言葉を使わない方が伝わりやすい」ということがわかりました。


その結果、先入観を生まない新しい言葉として「ユニバーサルエッジ」というカテゴリーを作りました。

「和洋の壁を超えた総合的な性能を備えた包丁」という意味です。

「ユニバーサルデザイン」という言葉も意識し、それは主に「4つの安全装備」で実現しています。


英語をベースにした理由は、世界での認知のされやすさを考慮したためです。

新しいカテゴリーなので、牛刀(gyuto)や三徳(santoku)という日本語に準じたものではなく、より認知されやすい「英語」にしました。


「ユニバーサルエッジ」という新しい言葉のおかげで誤解の余地がなくなりました。





◎PROCEEDという言葉の由来


ユニバーサルエッジ「PROCEED」


刀身の素材:ステンレス(全鋼)

刃渡り:180㎜

刃付け:ユニバーサルエッジ(裏スキなしの片刃)



「PROCEED(プロシード)」は、包丁の固有名詞です。

ユニバーサルエッジというカテゴリーの中の「PROCEED」という包丁です。

「前進させる・前へ進む」という意味があり、「包丁」の進化だけでなく、使う人の「意識」の進化も願ってこの名前を選びました。



・「包丁」の進化について

包丁の刀身は薄いほど切れ味(切り込みと切り抜けの性能)が良くなるのですが、手作りの時代は薄い刀身を作ることが困難でした。

しかし近年生まれた優れた刃物用鋼材と機械化のおかげで、刀身を2㎜以下まで薄くし、大量生産することが可能になると、包丁は必然的に「薄さ」というメリットを最大限活かした形に進化しました。


そして2018年には、和包丁と洋包丁の長所が融合した次世代型万能包丁「ユニバーサルエッジ」が誕生しました。


冒頭に紹介した新潟と静岡のコンクールでは、応募製品が以下のような項目を満たすか審査されます。


「革新性・機能性・市場性・独自性・社会環境性・有望性・高付加価値」


各方面の審査員による審査の結果、ユニバーサルエッジは上記項目の達成度が高いと評価され、「新潟県知事賞」「匠賞」を受賞しました。


包丁は、現代の素材や生活様式に合わせて確実に進化しています。

そして今後さらに進化する余地もあります。



・「意識」の進化について

人間の歴史は「ケガと病気を遠ざける歴史」と言えます。

動物性たんぱく質は人間にとって大切な栄養素のひとつですが、近年は安全面や衛生面を考慮して、動物や魚の解体は専門業者が行うようになりました。

それに伴って家庭で骨を外したり断ったりする作業はほとんどなくなりました。


また、高齢化や核家族化に伴い、大きな野菜は切り分けて売られ、カボチャなどの硬い野菜は「電子レンジ」で柔らかくしてから切るようになりました。

「刃欠け」の一因になる「土・砂」が付着した露地栽培の野菜は洗われて販売される傾向になり、土を使わず栽培された野菜も多く出回っています。


食文化の進化に伴い包丁が折れたり欠けたりする環境は減り、家庭用の包丁に求められる性能や砥ぎ作業の内容も変わってきました(砥石やまな板の性能も進化しています)。


しかし、包丁にまつわる「意識」は、過去の常識がそのまま「先人の知恵」として受け継がれている面があります。

※時代は変わっているので、先人の知恵が当てはまらなくなっている場合もあります(「自分で考えることの大切さ」も参考に)。


このような理由から、「ヒト」の意識の進化も含めた包丁文化の本質的な前進を願って「PROCEED」と名付けました。

ユニバーサルエッジ「PROCEED」が人の意識を進化させ、進化した人の意識が包丁をさらに進化させる好循環の始まりになればと思っています。





◎この1年の動き


この1年、ユニバーサルエッジの大きな動きとしては以下です。

忙しい1年でしたが、思い出に残る1年でもありました。



★小学校の授業で包丁の使い方を教える(出前授業) こちら


★紫玉ねぎのみじん切りの動画がSNSで1億回再生 こちら


★ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクールで新潟県知事賞を受賞 こちら


★グッドデザインしずおかで匠賞を受賞 こちら


★池袋サンシャインシティーで開催の「ニッポン全国物産展」に出店 こちら


★新潟伊勢丹1F「NIIGATA 越品」のコーナー出店&新潟テレビ「新潟一番(生放送)」に出演 こちら


★静岡新聞「静岡ものづくり最前線」に掲載 こちら


★伊豆新聞一面に掲載


★TikTokで1000万再生以上された動画が複数になる


★2024年12月23日 再び伊豆新聞一面トップに掲載






◎関連ブログ


以下は、ユニバーサルエッジを知るための関連ブログ記事です。

従来型万能包丁との違いだけでなく、和包丁との違いも理解していただけると思います。


ブレークスルー


和包丁とユニバーサルエッジの違い2




最後に従来の家庭用万能包丁との比較動画を紹介して終わります。



動画1:刃離れ効果があるとされる包丁切り比べ ⑦がユニバーサルエッジ





動画2:キュウリの輪切り比較 右がユニバーサルエッジ




動画のように切れれば、作業効率が上がることはちろん、「切る楽しさ」を味わえるようになり、料理が楽しくなります。





※2024年12月31日加筆

この投稿をして数日後の大晦日の朝(今朝)、知人から「新聞に出てたね」と知らせがありました。

インスタグラムにアップした「紫玉ねぎのみじん切り」の動画が1億回再生を超えたという記事です。


2024年12月31日伊豆新聞1面(左側)




1億回再生された動画は以下です。

「切れ味」ではなく「切れ方」が注目されました。



◎年間3回掲載の意味

ユニバーサルエッジ関連の記事は、2024年の1年間で3回、伊豆新聞に掲載されました。

そして、そのどれもが1面記事でした。

以前、「静岡新聞」の取材を受けたとき、熱心に聞いてくださった記者の男性は、「これはただの新製品ではなく発明と呼べるレベルですね」と評価してくださいました。

ユニバーサルエッジは、次世代型の便利な包丁というだけでなく、SDGsやユニバーサルデザインという意味でも社会貢献度の大きな包丁です。

多くの包丁ユーザーの役に立つ可能性を秘めているため、取材してくださった記者のみなさんは、今後予想される影響の大きさや重要性を理解してくださったのだと感じています。




◎素晴らしい1年でした

2024年は、多くのメディアや行政のみなさまとの関わりの中、ユニバーサルエッジが国内外に認知された年でした。

素晴らしい1年に感謝したいと思います。



以上、2024年を振り返り、ユニバーサルエッジについて書いてみました。

いつも応援してくださっているみなさま、この1年ありがとうございました。


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