ユニバーサルエッジ「PROCEED」の特徴のひとつ、「安全性能」について質問をいただきました。
PROCEEDには、後述する「4つの安全性能」が備わっています。
4つの安全性能が同時に施された包丁は世界初です。
私の修行中のケガや痛みの経験から考案され、結果的にSDGs12の「つくる責任」の達成にも大きく貢献していると思います。
※「SDGs(継続可能な開発目標)」については以下を参考に
<SDGsとは?> 外務省のサイトより
では以下、弊社が取り組んでいる4つの安全装備について、写真やエピソードなどを交えながら書きます。
後半は、野菜の薄切りをする「スライサー」での指のケガについて触れ、「PROCEEDは包丁そのものが安全装備」という話も書きます。
◎4つの安全装備
私はレストランでの調理中に「切っ先・アゴ・アゴ上・峰」でケガや痛みを経験したことがあるため、ケガの原因になる部分に安全対策を施しました。
具体的には包丁に以下のような加工をしています。
安全装備1:切っ先の丸め
安全装備2:アゴの丸め
安全装備3:アゴ上の丸め
安全装備4:峰のハイブリッド処理
以下に詳しく説明します。
安全装備1:切っ先の丸め
写真は切っ先の拡大で、上が処理済み、下が処理前です。
目盛は1つ1ミリです。
不意のケガを防ぎ、かつ切っ先を使った作業ができる程度に丸めてあります。
「子ども用包丁」のような丸め方ではなく、R1前後(半径1㎜前後)の小さなものです。
この少しの丸め効果は利便性を損なわず安全性をアップします。
具体的には以下のような効果があります。
・不意のケガを防ぐことができる
包丁の切っ先でケガをしたことがある人は多いと思います。
特に、シェフナイフ形状のPROCEEDのような「切っ先の形が鋭い包丁」でケガをしたことがある人は、「シェフナイフは怖い」という心理につながっている場合も多いかもしれません。
ケガの原因には、
「不注意で不意に手が切っ先に当たってしまった」
「峰の切っ先側をおさえていたら指が滑り落ちてしまった」
「洗っているときに当たってしまった」
などがあると思います。
私がよく覚えているケガは、研究のために買った「剣型包丁」でのケガです。
とても薄く鋭い切っ先で、「かっこいい」と言えばそうなのですが、切っ先の峰側をおさえる指が滑り落ちるとケガをすることが容易に想像できるほどの鋭い切っ先でした。
私はその切っ先に指が当たってしまったことが原因で、包丁を使った初日にケガをし、1週間後にはお店のマスターもケガをしました。
私は数日で治ったのですが、マスターはなぜか手のひらに刺さってしまい、治るのに10日ほどかかりました。
一般家庭では、剣型ではなく三徳包丁を使うことが多いと思います。
「三徳包丁」と比較するとシェフナイフの方が切っ先の角度が鋭く、未処理の切っ先でケガをするなら、シェフナイフの方が可能性は高いです。
しかし切っ先が丸めてあれば、安全性が格段にアップします。
シェフナイフは三徳包丁と比較して、刃渡りが少し長く、切っ先側の刀身が細いので、汎用性が高く便利な包丁です。
「三徳包丁の方が安全」と感じている人でも、切っ先の丸め処理をしたPROCEEDなら、安心して使っていただけます。
参考までに、「牛刀・剣型・三徳」の刀身のイメージです。
切っ先が丸めてあればどれも危険ではありません。
・折れや曲がりに強くなる
切っ先を丸めると若干の厚みが出るため、切っ先の強度が上がり、万一落としても折れや曲がりを防ぎやすくなります。
ほんの少しでも折れたり曲がったりした切っ先は、切っ先を使った作業に悪影響が出るか、見ていてモチベーションが下がります。
切っ先の丸めによってそれらのマイナス要素が軽減します。
・スポンジやタオルを傷つけにくい
切っ先が丸めてあることで、包丁を洗うときのスポンジ、水分を拭くときのタオルなどに引っかかりにくく、傷がつきにくくなります。
その効果は少ないかもしれませんが、結果的にスポンジやタオルの寿命が延び、広い目・長い目で見れば資源の節約にもつながります。
・まな板にひっかからない
切っ先が鋭いほど、切っ先が不意にまな板に刺さることがあります。
作業が中断されるだけでなく、まな板がずれてしまったり、動きの大きな作業の途中などは包丁が手から離れてしまうことがあります(お店のマスターが経験したことがあるそうです)。
丸めてあれば不意の引っ掛かりがありません。
・切っ先を使った作業もできる
PROCEEDの切っ先は、「袋を突き破る・肉の筋切りをする」などの切っ先の作業にほとんど影響のない小さな丸め方なので、ケガを防ぎながら普段通りの作業ができます。
つまり、利便性を維持しながら安全性をアップさせているということです。
安全装備2:アゴの丸め
写真上が処理済み、下が処理前です。
不意のケガを防ぎ、かつアゴを使った作業ができる程度に丸めてあります。
丸め方は、やはり「子ども用包丁」のような大きな丸め方ではなく、R1~R2の小さなものです。
この少しの丸め効果は利便性を損なわず安全性をアップします。
具体的には、ジャガイモの芽を取る作業の妨げにならず、不意のケガを防ぐ効果があります。
また、上記「切っ先の丸め」と同様、包丁を洗うためのスポンジや、水分を拭き取るタオルの消耗の度合いが減ります。
※包丁のアゴで氷を割る人にとっても、アゴの丸めによって程よく強度が上がり、アゴが曲がりにくくなります。
安全装備3:アゴ上の丸め
「アゴ上」とは、アゴからハンドルにかけての断面の部分です。
アゴ上の角が未処理だと、そこに当たる指の痛みの原因になります。
角を丸めることで痛みを軽減します。
写真上が処理済み、下が処理前です。
具体的には以下のような効果があります。
・皮むき作業の指の痛みの軽減
皮むき作業でアゴ上に当たる中指の痛みを軽減します。
・ハンドルを深く握ったときの指の痛みの軽減
力が必要な作業のときにハンドルを深く握ることがありますが、このときアゴ上の角が処理してあると、指の負担が減ります。
・衛生面に優れる
アゴ上の処理が荒いと断面に汚れが溜まりますが、処理後は断面の表面が滑らかになるため汚れが溜まりにくく、洗いやすく衛生面に優れています。
安全装備4:峰のハイブリッド処理
私は未処理の峰で人差し指の「ハラ(指紋がある方)」を切ったことがあり、ケガの予防のために峰のハイブリッド処理を考案しました。
単純に峰の角の全体を丸く仕上げるのではなく、ケガの原因になる「利き手側手前半分の峰」だけを丸く処理し、その他の角は残す「ハイブリッド(混成)構造」になっています。
写真左の白く光っている部分が処理済み、右が処理前です(右利き用)。
右利き用のPROCEEDを上から見た図
黄色の部分を丸めています
峰のハイブリッド処理には、具体的には以下のような効果があります。
・皮むきで人差し指の痛みを軽減
・切っ先を使った引き切りで人差し指のケガを防ぐ
・研ぎ作業で人差し指の傷みを軽減
上の各写真の場面で、峰のハイブリッド処理が役に立ちます。
利き手側の手前半分だけ処理し、反対側を処理しない「ハイブリッド処理」の理由は、あえて反対側の「角」を残すことで、たとえば以下のような作業性を損なわないためです。
・ゴボウの皮むき
・魚のウロコ取り
・まな板の上の薄い食材を峰側で寄せ集めするため(刃を使うと刃が傷む)
・まな板の上の汚れを峰側でこそぎ落とすため(刃を使うと刃が傷む)
これらは利き手の反対側の角を残しておいた方が便利です。
ケガは利き手側の角が原因になるので、反対側は丸める必要がないわけです。
一方、峰の利き手側の切っ先側半分を丸めずに残す理由は、人差し指は峰の手前半分までしか乗せないことと、処理の境目が「砥ぎ角度固定補助器具」の取り付け場所の目印になるから、角があってもなにも問題にならないから、などです。
このあたりの話は以下のブログ、「ユニバーサルエッジの峰の処理の工夫について」を参考に。
ここまで、4つの安全装備についてでした。
当社調べではありますが、現在、この上記4つの安全装備が同時に施された包丁はPROCEEDだけです。
この時点でPROCEEDは世界で最も安全性の高い包丁と言えるのですが、以下に書く「薄切りの刃離れ」の性能によって、さらに安全性の向上に貢献しています。
◎PROCEEDは包丁そのものが安全装備
料理でのケガについては、「包丁を使うからケガをする」というイメージが強いのですが、実際は包丁を使えないことによって他の道具を使い、その道具でケガをしてしまうこともあります。
その一例が、野菜の薄切りやキャベツの千切りなどに使う道具、「スライサー」によるものです。
スライサーによるケガは、包丁でケガをする頻度より少ないかもしれませんが、使うときは常に下向きの力を入れていることや、刃の向きの関係で深く切れることが多く、ケガをすると包丁のケガよりも重症になる場合があります。
また、利き手で野菜を握るため、利き手のケガになることがほとんどで、生活への影響も大きくなります。
スライサーを洗うときや、引き出しから取り出すときなどにも不意のケガをすることがあります。
この状況に関して、「国民生活センタ―」が注意喚起をしています。
国民生活センターから2023年に発表された記事をご覧ください。
「スライサーで指先にケガをする事故が多発!」
国民生活センターが、「メーカー・ショッピングモール・行政」などに対して、安全対策や注意喚起を促しているように、「使う側・作る側・売る側」など、全体で問題の解決にあたることが望まれています。
ここで注目していただきたいのが、上記サイト内の動画、1:12~あたりです。
ここに、「包丁を使って切りましょう」とあり、国民生活センターが「包丁を使うこと」を推奨しています。
包丁を使えば利き手のケガがなく、平均的には軽症で済むからです。
スライサーを使う理由、言い換えれば、「包丁を使わない理由」は、「薄切りした野菜がくっついてくるのが面倒」「薄く均等に切れない」「包丁の方が時間がかかる」などですが、もしそれらが全て解決すれば、包丁を使うことができます。
そして、実際にそれらの問題を解決したのがユニバーサルエッジ「PROCEED」です。
PROCEEDは、以下の動画のように切れます(紫玉ねぎ・大根・ニンジンの薄切り)。
包丁が半ば自動的に切ってくれるので、ただ包丁を前に押しながら切るだけで、特別な技能は無用です。
ユニバーサルエッジには、野菜の薄切りが得意な片刃の和包丁「薄刃包丁」の刃付けの特徴が採用されています。
その結果、安定した薄切りと刃離れ効果を同時に実現しています。
紫玉ねぎ
大根
ニンジン
これまでの家庭用万能包丁では動画のように切れないため、スライサーを使う人が増え、その結果ケガが多発します。
また、スライサーは、厚みの調整や刃の砥ぎ直しができないものも多いですが、包丁は手軽に厚み調整や砥ぎ直しができます。
包丁だけなら、スライサーを洗う手間や保管場所も不要なので、そのあたりも包丁を使う利点です。
ということで、PROCEEDを使えばスライサーを使う必要がなくなります。
その結果「PROCEEDを使えば利き手のケガがなくなる」ということになります。
「PROCEEDは包丁そのものが安全装備」
「PROCEEDは、世界初、世界一の総合安全性能を誇る包丁」
などと言える理由が理解していただけると思います。
上記動画以外の切れ方については、弊社サイト内の動画やインスタグラム、TikTokなどをご覧ください。
インスタグラム内には、先日1億回再生を超えた動画もあります。
下記サイトから様々なページへリンクがあります。
◎まとめ
「4つの安全装備+包丁そのものが安全装備」のPROCEEDは、世界一の安全性能を備えた包丁です。
PROCEEDが世界に広まることで、ケガが減るだけでなくスライサーも無用になる場面が多くなり、保管場所、洗う手間、資源などの節約にもつながります。
PROCEEDは、SDGs12の「つくる責任」の貢献度も世界一と言える包丁です。
お知らせ:常に世界初・世界一を目指して
2024年11月から、PROCEEDの料金を改定させていただくことになりました。
世界的な物価高などの他にも様々な事情があり、税込み9800円から12800円へ値上げいたしますが、その利益は、今回紹介させていただいた「安全性能」を維持するための財源としても使わせていただきます。
具体的には、設備投資や技術の効率化、人材育成のための財源です。
株式会社Yuiは、家庭用万能包丁として世界一の「安全性」だけでなく、世界一の「砥ぎやすさ・汎用性」も維持するため、これからも努力を続けます。
以上、PROCEEDの安全装備、安全性能についてでした。
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