top of page

ユニバーサルエッジの峰の処理の工夫について

更新日:2023年1月3日


ユニバーサルエッジの峰の面取り、「ハイブリッド処理」について書きます。




●峰のハイブリッド処理(意匠登録出願中)


ユニバーサルエッジの峰の面取りは、「ハイブリッド処理」になっています。

ハイブリッド処理とは、通常の面取りに加え、利き手側手前半分をさらに念入りに面取りしたものです。

通常の面取りと念入りな面取りがひとつの峰に混在するため、ハイブリッド処理と呼んでいます。




ユニバーサルエッジ峰のハイブリッド処理の図




実際にハイブリッド処理された峰








包丁を使っていると、以下のような不具合を経験することがあります。


「長時間の皮むきをすると人差し指の付け根が峰に当たって痛い(写真左)」


「包丁の峰に人差し指を置いて力を入れたらケガをした(写真中央)」


「砥石を使って砥ぐときに指が峰に当たって痛い(写真右)」


こうした場面は、峰の面取りができていない包丁ほど頻繁に起こります。



仮に、峰の面取りを一切しないと、「皮むき」「峰に指を置く引き切り」「砥ぎ作業」などで人差し指をケガする可能性が高く、とても危険です。 私自身も峰の面取りをしていない包丁を使って、右手の人差し指をケガしたことがあります。




しかし危険を防ぐために峰全体の面取りを念入りにしすぎると、人差し指のケガはなくなりますが、以下のようなデメリットが生まれます。


1:ゴボウの皮むきや魚のウロコ取りなど、峰を使った作業の効率が落ちる


2:峰を使った食材集めのときに、ごく薄い食材が峰の下に入って集められなくなる

(私は刃を守るために峰を使って食材を集めます)

3:まな板上に残った汚れや肉の脂をこそぎ落とす機能がなくなる(峰がまな板の上で滑ってしまうため)

4:峰の面取りの加工そのものに手間がかかる(人件費・時間・エネルギーのコスト増) 処理されていない峰によるデメリットは、主に峰の利き手側手前半分で発生するため、ユニバーサルエッジでは「峰のハイブリッド処理」を取り入れ、包丁の「道具としての機能性」を維持したまま安全性を向上しています。 砥ぎ作業についても、当社推奨の方法を使えば、人差し指の負担を軽減することができます。 利き手側手前半分の念入りな面取りは、さらにもうひとつの機能を生み出しています。 それは、峰上に、処理の違いによる「境目」ができることです。 この境目がシームレス砥ぎの補助器具の接着場所の目印になります。

写真のように、ハイブリッド処理した峰の面取りの境目に補助器具を接着することで、砥ぎ角が約18度になり、その場所を支点にしならせることによって、シームレス砥ぎで刃線を乱さず18度の刃が付くように工夫されています。 ※確実に刃が付くように、新品状態のユニバーサルエッジは18度未満で砥いであります

※補助器具の貼り付けは、ポリウレタンテープ、またはネオジム磁石です



シームレス砥ぎの動画はこちら(慣れると補助器具が不用になります)





補助器具の効果によって研ぎ角としなりの支点を同時に固定できます。 補助器具と砥石が削れない工夫に関しては後日お知らせする予定です。




両刃の包丁では、指のケガを防ぐために峰の両側を処理する必要があり、安全性と機能性の両立ができません。 利き手を選ぶ包丁だからこそ、峰の左右にはっきりと役割を持たせた処理ができます。 峰のハイブリッド処理は、安全性と作業性の両立を実現した、ユニバーサルエッジだけの新しい峰の処理方法です(意匠登録出願中)。




ハイブリッド処理のメリットをまとめると以下のようになります。


右人差し指のケガを防ぐ

ゴボウの皮むきや食材集めの機能を維持できる

処理の境目が砥ぎ補助器具の取り付け場所の目印になる



※峰のハイブリッド処理に対応できるメーカーが見つからないため、2023年2月から私自身が仕上げをして販売する予定です

※砥ぎの補助器具(角度固定器)についても、量産の準備ができ次第販売する予定です



以上、ユニバーサルエッジの「峰のハイブリッド処理」についてでした。

bottom of page