包丁の使い方
●包丁のホームポジション
写真① まな板に対して平行に立って右足を後ろに引き、まな板と骨盤の角度が45度になるようにします。
写真② 包丁を、上から見てまな板に対して90度にかまえます。
写真③ 包丁を、手前から見てまな板に対して90度にかまえます。
写真④ まな板の上で、刃線の直線部分が落ち着くように置きます。
これが「ホームポジション」です。
家庭料理で食材を切る作業のほとんどが、ホームポジションから始まります。
①
②
③
④
包丁の直線部分が落ち着くところ
Q:包丁のホームポジションにかまえるのはなぜ?
フォームを安定させるためです。
食材の上から切り始めるとリズムに乗った作業がしにくく、食材の厚さが不安定になります。
また、「スライド切り」を使うことが適切な場面で「スイング切り」なってしまいやすいからです。
●猫の手
左手を軽く握り、親指は人差し指の中にいれます。
猫の手は「人差し指」を使ってもできますが、中指の方が指の置き換えの頻度が少なくてすむので、薄さの安定と時間の節約という点でオススメです。
ホームポジションに包丁を構え、包丁を引き上げる時に食材の高さを食材が越えた瞬間の音と振動を感じたらそれ以上包丁を引き上げないようにします。
安全に切るポイントです。
中指の第一関節を包丁にあてて切り進めていきます。
中指の爪の位置はそのままにしておきます。中指が起き上がってきたら、中指を置き換えて繰り返していきます。
NG例
NG
NG
指をまっすぐ置くと危ないです。
包丁から指が離れていると切る厚さ安定しません。
NG
NG
小指や親指が出ていると危ないです。
●スライド切り
写真① 包丁のホームポジションに構えます。
写真② 包丁をまな板と平行に引き上げます。
写真③ 前に出してホームポジションに戻します。
素早く安定して切ることができ、切った食材の断面にツヤも出ます。比較的小さな食材を切る時に使います。
①
②
③
動画のようにリズムよく切ります
●ユニバーサルエッジの使い方
普段両刃の包丁を使っている人が、片刃の包丁で薄切りをすると、写真のようにまっすぐ切れません。
切れない理由はコチラ
片刃の包丁使う時は、包丁を少し左に傾けるイメージで切るのがコツです。写真の傾きはあくまでも「イメージ」ですが、普段両刃を使っている人は、頭の中でこの程度の傾きをイメージしながら切ると、まっすぐに切ることができます。
左に傾けるのはあくまでイメージで、
実際は、片刃で1㎜前後の薄切りをするときは、包丁を直角にかまえれば直角に切ることができます。その理由は、食材が右側にめくれるから(右側からの力がかからないから)です。
NGの写真のように本当に傾けて切って
しまうとまっすぐに切れません。
練習① スライド切りで薄切り・千切り
はじめはきゅうりの半月切りがオススメです。
包丁を少し左に傾けるイメージで、リズムよく切ります。
慣れてきたら、大根やニンジンの薄切り・千切りで練習します。「切る」というよりは、「削る」イメージです。
練習② 硬い食材を厚く切る・半分に切る
硬い食材を厚く切る作業は、片刃に慣れないうちは、まっすぐ切りにくいです。
包丁を少し左に傾けて切ります。
刃が薄い切っ先側を使うのもポイントです。
左に傾けることを意識すれば、片刃の包丁でもほとんどまっすぐに切ることができます。
切る食材や目的に合わせて、包丁のどの部分で切るか使い分けます。
動画前半のような厚切りや乱切りは、刃の先端部分、薄切りや千切りは刃元の部分を使います。
練習③ 両刃の包丁と比較してみる
両刃の包丁と片刃の包丁で薄切りの比較をすると、違いがわかります。
動画前半が片刃、後半が両刃の包丁で切っています。
●シームレス砥ぎ
刀身が「しなる」包丁には、「シームレス研ぎ」が使えます。砥石の対角線上に刃を乗せ、18~20度ほど刃を起こし、そのまま動画のように研ぎます。
研いだ後、切れ味が回復していれば正しい角度で研いでいます。回復していない場合は、もう少し包丁を起こして研いでみてください。
最後は刃の左側の「かえり」を軽く取り除いて終わります。研ぐ頻度と時間は、一般家庭で通常使用の場合、週に1回、1分程度です。
(包丁の使用頻度によって変わります)
さらに詳しくはコチラ