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ブレークスルー ―引き算の包丁―

更新日:5月19日


今回は、ユニバーサルエッジが家庭用包丁の3つの課題を同時にブレークスルーしたという話です。

いったいなにをブレークスルーしたのかということをメインに書いてみたいと思います。




様々な道具は「ブレークスルー(課題や障壁の打開)」を経ながら進化しています。

それは「刃物」も同じで、刃物は、石器の時代から「金属の発明」というブレークスルーを経て大きく進化しました。

包丁は、ハガネからステンレスへ、打ち刃物から抜き刃物へと、ブレークスルーを続けながら今も進化を続けています。



ブレークスルーのきっかけは、いつも「より便利なものへ」という探究心が原動力でした。 包丁を使う人々は、「切れ味の良い包丁が欲しい・折れない包丁が欲しい・簡単に研げて錆びにくい包丁が欲しい」など、より便利なものを求め続けました。

そして包丁を作る人々は、より便利なものを作るため、探究を続けてきました。



様々な技術が進化した近年、切れ味の良い包丁、折れにくい包丁、砥ぎやすく錆びにくい包丁を手に入れた一般ユーザーは、現在、「薄切りの刃離れ」や、より一層の「砥ぎやすさ(切れ味の維持のしやすさ)」「高い汎用性」などを求めています。



もちろんこれら3つの課題に取り組んでいるメーカーも多いです。

以下、包丁メーカーの取り組みと、ユニバーサルエッジの場合について書いてみます。




1:薄切りの刃離れについての各メーカーの取り組み 「薄切りの刃離れ」については、「切ったキュウリが包丁にくっつく現象をどうするかという課題」が代表的です。

各社「穴あき・ディンプル・リブ・低摩擦コーティング・左右非対称の刃付け」などの組み合わせで対応していますが、はっきりした刃離れ効果や、デメリットをしのぐメリットは得られないままです。

包丁メーカーはこれまでどのようにして刃離れ対策をしてきたのか、そしてユニバーサルエッジはどのように解決したのか書いてみます。



はじめに、下図は「刃離れ問題」の対処法です。

既存製品は両刃をベースにし、ユニバーサルエッジは片刃をベースにしています。


図:「刃離れ問題」に対応するための方法

「新しい対処方法」がユニバーサルエッジの考え方です。



上の図について簡単に説明します。



・穴あき包丁

「穴あき包丁」は、食材との接触面積を減らす効果はあります。

しかしほとんど刃離れ効果がなく、穴の中が汚れてしまうことや、「ネコの手」と呼ばれる指使いで左手の関節部分が穴の中に入ってしまい、痛みや違和感を感じてしまうというデメリットがあります。

その痛みや違和感を防ぐために「ネコの手」が使えなくなり、危険度がさらに増すこともあります。


・ディンプル(槌目も含む)

「ディンプル(くぼみ加工)」は、ある程度の効果がありますが、包丁が高価になってしまうことや、くぼみの中が汚れて衛生面で劣ること、そしてディンプルが吸盤の役割をして、条件によってはかえって食材がくっついてしまうと聞いたことがあります。 また、両側ともディンプルにすると、刀身の強度や左手の「ネコの手問題(指の関節がディンプルに引っかかる)」があり、それを避けるために「右がディンプル、左が平ら」という刀身を作る必要が出てきます(片側ディンプルはグレステンが有名かもしれません)。

両刃にもかかわらず左右の利き手を選ぶ刀身が必要になり、製造コストが増えます。



・リブ付き

「リブつき包丁」は、刀身に「出っ張り」をつけるため、穴あきやディンプルと比較すると、一定の刃離れ効果があるものもありますが、出っ張りが影響して切り込み抵抗が増えることと、場合によっては刀身との境目にできる溝に汚れが溜まり衛生面で問題があります。

左手の指の関節がリブにぶつかる問題を考えると、やはり左右の利き手に合わせ別々で刀身を作る必要があることもデメリットです。


・低摩擦コーティング

「低摩擦コーティング」は、刀身にディンプルやリブがないので洗いやすく衛生的で、作る刀身も左右の利き手ごとに分ける必要がありません。

もちろん「ネコの手」も安心してできます。

しかしほとんどの場合、薄切りの刃離れ効果はなく食材はくっつきます。

メリットとして、コーティングのおかげで「くっついた食材をはがしやすい・汚れが落としやすい」という面があります。


参考:左右非対称の刃付け

左右非対称の刃付けの中には、刃離れ効果が期待できるものもありますが、ユーザーは新品時の刃付けと同じように砥ぐことができず、メーカーに砥ぎ直してもらう必要があり、維持コストが大きくなります。

そもそも両刃では、刃先の工夫による刃離れ効果があっても、効果そのものが不安定なことや、刀身のロール方向の動きが安定しないことなどがあり、ユニバーサルエッジと比較すると薄切りのための労力が大きくなります。


また、右利き用の刃付けの包丁をそのまま左右兼用として販売しているメーカーもあります。

左右非対称の刃付けは、利き手の人が握って効果を発揮するようになっているので注意が必要です。

左利きの人が右利き用の包丁を使うと、効果がないだけでなく使いにくくなります(柳刃包丁で刺身を切るときは左右混同でも大丈夫です)。


左右非対称の刃付けについては以下のページを参考に。

左右の比率や角度、コンベックスかフラットかなど、様々な組み合わせがあります。

<両刃の包丁は左右兼用か>

このページには7丁の包丁で刃離れを比較した動画があります。



上記全てのタイプのメリットとデメリットを家庭用万能包丁として天秤にかけた場合、既存の方法ではデメリットが勝る場面が多く普及率も限定的です。




・ユニバーサルエッジの場合

ユニバーサルエッジは「刃付け」によって刃離れ効果を出しています。

刀身には穴もディンプルもリブもなく最も洗いやすい形状です。

刃付けが単純に片方だけなので、左右共通の刀身を作っておき、左右の刃付けだけを変えることで利き手に対応でき、さらに、これまでの包丁にない高い刃離れ効果も発揮します。




既存の包丁の刃離れ効果が全体として低い主な原因は、「両刃」で包丁を作ろうとするからです。


和包丁に比べて薄い刀身で片刃にすれば、食材を薄く切った瞬間から毛細管現象を打ち消すことができ、薄く切った食材が刀身に触れることなく刃離れするため、刀身に穴を空けたり、ディンプルやリブをつけたりする必要もありません。


しかし、両刃をベースにすると、刃先厚と砥ぎ角の関係で、ほとんどの場合薄く切った食材が刀身に貼り付くため「貼り付いた食材をどう処理しようか」という対処方法になり、「穴・ディンプル・リブ」などの加工で対処することになります。



下図を見るとわかりやすいと思います。

「両刃」の包丁は、緑色のキュウリが貼り付いてから、「このキュウリをどうしようか」と考えます。

「片刃(ユニバーサルエッジ)」は、そもそも刀身にキュウリが貼り付いていないので、この時点で刃離れの対策ができています。
























実際に下の動画でわかるように、ユニバーサルエッジの効果は既存製品と違います。

以下の動画0:33~キュウリの輪切りの刃離れの違いを参考に。



ここまでを整理すると、両刃をベースにした既存製品は、毛細管現象によって貼り付いた食材を「刀身から引き離す工夫の包丁」、片刃のユニバーサルエッジは、「刀身に貼り付かせない工夫の包丁」ということになります。

つまり既存製品が「刃離れ問題が起こってから対処する」という方法を選んでいることに対し、ユニバーサルエッジは「刃離れ問題を起こさないように対処する」ということです。

人間の病気に例えると、「対症療法的な包丁」と「予防医学的な包丁」の違いと言えます(下図参考)。




既存製品(両刃)がユニバーサルエッジ(片刃)になって得たものと失ったものは以下です。


<得たもの>


・薄切りの刃離れ(新品の包丁として業界初:SNSで3000万回再生の話題性)

・砥ぎやすさ(砥石で1分の作業で仕上がる)

・汎用性(これまで不可能だった薄刃包丁の要素も手に入れた)

・メンテナンス性(凹凸がないので手入れが簡単)

・衛生(凹凸がないので汚れが溜まりにくい)


<失ったもの>

・硬いものを真っすぐに切る能力(ただし、和包丁よりクセは少なく慣れでカバーできる・家庭では長時間の厳密な切り分け作業をしない)




2:砥ぎやすさについての各メーカーの取り組み

「砥ぎやすさ」については、「簡易シャープナー」がありますが、切れ味の回復やきれいな刃線の維持という意味では、本質的な解決には至っていません。


代表的なものは、向かい合ったコマ式の丸い砥石の上に刃を乗せて前後にコロコロ転がす簡易シャープナーですが、アゴ付近の刃線の乱れにより食材の切り離れが悪くなり、ソリの部分を振り子のように動かす「スイング切り」を強いられてしまうユーザーもいます。

また、以下のような器具もありますが、それぞれにデメリットがあります。


・砥ぎクリップ

・ロール式シャープナー

・挟み込み式シャープナー

・スライド式砥ぎ器



いずれにしても簡易シャープナーでは本来の包丁の性能を発揮できなくなることがほとんどです。 砥石で砥ぐ方が優れているのは間違いないため、「砥ぎ方講座」が開催されることもありますが、砥ぎ方には様々な方法があり、「砥ぐのは難しいから諦めよう・何を信じたらいいのか」など、ユーザーの不安は絶えません。


一方、「家庭での砥ぎやすさ」の追求をあきらめ、頻繁に砥がなくてよい包丁、つまり高硬度の刃を持つ包丁の開発を目指しているメーカーもあります。

しかし、セラミック包丁の砥ぎにくさ(欠けやすさ)を筆頭に、頻繁に砥がなくてよい硬い金属製の包丁にも様々な弊害があります。 「頻繁に砥がなくてよい」ということは、ユーザーレベルでは砥ぎにくいということになり、高硬度の包丁を使う人は新品状態の切れ味を家庭で手軽に維持できません。 高硬度の包丁は、砥ぐ頻度は少なくなるかもしれませんが、家庭で気軽に新品時と同じ刃付けができないのであれば「家庭用万能包丁」としてはあまり意味がありません。




・ユニバーサルエッジの場合

ユニバーサルエッジは、単純な刃付けと完全片刃であること、そして包丁のしなりを利用した新時代の研ぎ方、「シームレス砥ぎ」に対応できることで、だれでも1分で新品時の刃付けを再現できる包丁です。

研ぎ方が決まっているので「迷い」も「不安」もありません。

「シームレス砥ぎ」の作業時間は簡易シャープナーと同等ですが、その効果は簡易シャープナーより高いレベルです。

「砥石で砥ぐのは面倒だから、砥ぐ回数を減らしたい、そのために高硬度の刃の包丁を」という理論であれば、ユニバーサルエッジのように砥石で簡単に砥げる包丁を使うことでこの問題は解決するので、高硬度の包丁(高価で砥ぎにくい包丁)は無用になります。


※弊社には簡易シャープナーの手軽さと砥石で砥いだ仕上がりを両立する「新型簡易シャープナー」のアイデアがありますが、自社では製造できないため、製造と販売に興味を持ってくださるメーカーを探しています。


弊社が考案した新型簡易シャープナーについて

試作段階ですが、完成品はユニバーサルエッジと同じように利便性の高いものになります。




3:汎用性についての各メーカーの取り組み

「汎用性」は家庭用包丁に限らず、多くの道具に求められる要素です。 汎用性が高いと、購入費用の節約だけでなく、保管場所の節約、資源の節約、メンテナンスの簡素化など、良いことばかりだからです。

各社が家庭用万能包丁の研究を続け、現代の生活様式の一般家庭に求められる包丁は「刃渡り180㎜前後・重さ150g前後の洋包丁」という答えでほぼ横並びと言えますが、洋包丁

は両刃のため、片刃の包丁と同じ作業が苦手です。

特にひとつだけ、どうしても両刃の洋包丁では苦手なものがあります。

それが、「野菜の安定した薄切り」です。

両刃でも薄切りはできますが、片刃で切るような安定した薄切りは難しいです。

※両刃は、刀身のロール方向のブレが安定せず「薄刃包丁」のような薄切りは苦手です(両刃でも刀身の形や刃先厚、刃付けの角度などにより難易度が変わります)。


そのため、両刃包丁を使っている人が野菜の薄切りをするときは、「スライサ―(薄切り用の道具)」を使うことも少なくありませんでした。


「汎用性」についての各社の取り組みは、「汎用性の高い包丁を作ると他の包丁が売れなくなる」という状況に対してどう取り組むかがテーマになるかもしれません。



・ユニバーサルエッジの場合

両刃の洋包丁は、柳刃包丁と出刃包丁の代用ができるので、両刃の洋包丁があれば柳刃包丁も出刃包丁も、家庭レベルの作業では不要になります。

しかしひとつだけ、薄刃包丁のような安定した野菜の薄切りは、両刃の洋包丁では代用できません。

そこでユニバーサルエッジは、刃付けを薄刃包丁と同じ「完全片刃」にすることによって、薄刃包丁の「薄切りが得意」という特徴も手に入れました。

また、それだけでなく、薄刃包丁にはできない「薄切りの刃離れ」も手に入れました(プロが独自に砥いだ薄切りの刃離れができる和包丁もあります)。

ユニバーサルエッジの登場によって、「洋包丁+薄刃包丁」または「洋包丁+スライサー」という組み合わせが無用になり、ユニバーサルエッジだけですべての作業ができるようになりました。

※「薄切りのしやすさと刃離れの良さ」は「硬いものをまっすぐに切ることが苦手」という片刃の弱点以上の便利さです



動画は前半が完全片刃、後半が両刃包丁での薄切りです。

両刃包丁の不安定さがわかると思います。

安定した薄切りは薄刃包丁の得意分野でしたが、ユニバーサルエッジは安定した薄切りだけでなく、安定した刃離れも実現しました。


薄切りの刃離れの動画はTikTokにもまとめてあります。




汎用性の高さを示すイメージ図


和包丁の「片刃」と洋包丁の「薄い刀身」がひとつになることで、多くの包丁の特徴がひとつになり、汎用性は群を抜きます。

実際に、私はレストランの仕込みもプライベートもユニバーサルエッジを使っています。





◎家庭用包丁を取り巻く現状


これまで、包丁業界では長い間「薄切りの刃離れ」「砥ぎやすさ」「汎用性」の3分野でのブレークスルーは起っていませんでした。

「片刃は使いにくい・包丁はしならないもの・砥石は水に浸すもの・家庭用包丁は両刃であるべき・木のまな板の方が刃に優しい・ステンレスは砥ぎにくい」などのイメージが根強く残っていることが、柔軟な発想を妨げていたのかもしれません。


現代は、和包丁全盛の時代と比較して、生活様式・金属・金属の加工精度、そして砥石やまな板も進化しています。

また、食べもの全体が「軟化」していることも、家庭用包丁を作るときに考慮するべき点です。


たとえば昔と比較して以下のような状況になりました。

箇条書きにしてみます。


・多くの家庭で動物の骨や、土や砂が付着した野菜を切らなくなったことで、刃欠けが減った。


・靭性の高い金属が開発されたことで刃欠けが減っただけでなく、しならせても折れない薄い刀身を作れるようになった。


・靭性の高い金属を薄く均一に伸ばす技術が発展し、刀身をより薄くすることが可能になったため、厚みのある和包丁(片刃包丁)のデメリットが軽減された。


・現代の包丁は刃欠けが起こりにくいため、粒度の高い砥石を使った簡単な作業で砥ぎ作業が終わる。


・電子レンジなどの普及で食材を柔らかくすることが可能になった。


・ダイヤモンド砥石が開発され、粘りのあるステンレスも楽に砥げる研削力や、水に浸すこともゆっくり乾かすことも不要な手軽さ、そして落としても割れない丈夫さを手に入れた。


・ポリエチレンやエラストマー樹脂が発明され、まな板は安価かつ衛生的で、柔らかさを自在に変えることができるようになり、多くの面で従来の木製を超えた。



このような現状を背景に、包丁業界の長年の課題だった「薄切りの刃離れ・砥ぎやすさ・汎用性」の3つの壁を同時にブレークスルーした包丁が、ユニバーサルエッジです。





◎引き算によるブレークスルー


ユニバーサルエッジのブレークスルーの手法は、結果的に日本料理に例えられる「引き算」と同じです。


これまで刃離れを実現するためにとられてきた手法は、既存の洋包丁の刀身になにかを加える「足し算」の手法でした。


「穴をあける・ディンプルをつける・リブをつける・コーティングする」などがその代表的な例です。


しかし弊社が考えたのは、「加工」という足し算ではなく、可能な限りそれらを引いた、最も単純な刃付けの包丁でした。

最も単純な刃付けの包丁とは「刀身の利き手側を砥ぐだけ」の完全片刃の包丁です。

※最も単純な刃付けが生み出す効果については以下をご覧ください


ユニバーサルエッジの刀身には「穴・ディンプル・リブ・コーティング」はありません。

刃先には「小刃・糸刃」もありません。

完全片刃なので、利き手の反対側の刃もありません。

和包丁では片刃とセットと考えられている「裏スキ」もありません。

また、和包丁には15㎜前後の「切り刃」がありますが、ユニバーサルエッジには1.5㎜、つまり和包丁の9割引きの幅しかありません。

さらに、ユーザーのケガや痛みの軽減のために、切っ先、アゴ、峰の一部、アゴ上の「鋭い部分」も取り除きました。



日本料理と同じ「素材の良さを引き出す」という意味では、「刀身を薄くすること」が「刃物用ステンレス素材の良さを引き出す」ということです。

現代の刃物用ステンレス素材は折れにくいため、刀身を薄くすることができ、薄くすることができれば切れ味が増し、片刃のクセも軽減されます。

また、薄さは「しなり」を生み出し、そのしなりが画期的な「シームレス砥ぎ」を生み出しました。

ユニバーサルエッジは、「素材の良さを引き出した包丁」と言えます。


ステンレス素材の良さを引き出すなら、私は包丁がある程度しなるまで薄く作ることが大切だと思っています。

世の中には、家庭用としては必要以上に厚く重い包丁もある中、最小限の素材を使えば素材のムダも防げます。


このように、「引き算」で作られた包丁が、これまでの課題だった「薄切りの刃離れ」「砥ぎやすさ」「汎用性(両刃では実現できなかった薄刃包丁の特徴)」の3つの壁を同時にブレークスルーしたことになります。



日本の料理が「引き算の料理」と呼ばれ、日本らしさの象徴なら、ユニバーサルエッジが「引き算の包丁」と呼ばれ、日本らしい包丁の象徴とされても良いかもしれません。






◎最近のユニバーサルエッジの動向と展望


ユニバーサルエッジは、以前は「片刃のシェフナイフ・新型万能包丁」と呼んでいました。しかし「裏スキがないから片刃ではない」「シェフナイフは両刃と決まっているから片刃の包丁はシェフナイフではない」など誤解されてしまうことがありました。 どのカテゴリーにも属さない新しい包丁のため誤解されるのは仕方ないのですが、やはり今後のことを考えると新カテゴリーが必要だということになり、ユニバーサルエッジというカテゴリーを作りました。 現在のユニバーサルエッジは、まだ登場したばかりで理解されていない部分が多くあります。

たとえばガラケー全盛時代に登場したばかりのスマホは、理解されにくく、新しい物に不安な懐疑派からは、「大きい・重い・駆動時間が短い・動きが止まる」などと言われていたようです。

しかし徐々にスマホの便利さが知られるようになると、サイズが大きく重くてもスマホユーザーは増え続け、それまで「ガラケーとノートパソコン」の2つを持ち歩いていた人たちの多くは、2つの特徴がひとつになったスマホだけを持ち歩くようになりました。


現在のユニバーサルエッジ(片刃のシェフナイフ)は、そんな時代のスマホの立場と似ているかもしれません。

現在は両刃のシェフナイフ全盛時代と言えます。

そんな時代に登場したばかりの片刃のシェフナイフ「ユニバーサルエッジ」は、もちろん理解されにくく、新しいものに不安な人や、片刃包丁のデメリットを知る懐疑派からは、「片刃は扱いにくい・シェフナイフは両刃でなければならない」などと言われていました。

しかし徐々にユニバーサルエッジの便利さが知られるようになれば、ユーザーは増え続け、これまで複数の包丁を使っていた人たちも、ユニバーサルエッジだけで料理をするようになるはずです。



たとえば今年3月、47回目になる「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2024」で、ユニバーサルエッジのペティナイフが「新潟県知事賞」に選ばれましたが、このコンクールの募集要項には以下のようにあります。



<太字:コンクール公式PDFより抜粋>

新規性・革新性、審美性、機能性、市場性、 社会・環境性について、専門的視点により評価・発信することで、産地としての競争力を高め、 持続的発展を目指すコンクールです。



2024年4月18日 新潟県知事を訪問しユニバーサルエッジの説明をさせていただきました



「新潟県知事賞」は、グランプリ・準グランプリに次ぐ「優秀賞」のひとつです。

採点方法は、上記ひとつひとつの項目に点数をつけて合計するので、ユニバーサルエッジは、専門家の視点から「上記基準を高いレベルで満たした包丁」と認められたことになります。


活動を続けてきた私にとっては、「新潟県知事や専門家にユニバーサルエッジのすばらしさを理解していただけた、あとは包丁メーカーとユーザーに理解していただくには・・・」という段階まで進んだことになり、認知されるという意味でひとつの壁をブレークスルーしたと言えます。



また今年4月末には、TikTokとインスタグラムにアップした「ニンジンの薄切り動画」の再生数が合計3000万回を超えました。

「いいね」は合わせて100万以上、コメントは、感動や驚きの声を中心に4000以上寄せられ、「薄切りの刃離れ」が注目されていることがわかります。


TikTok ニンジンの薄切り動画



海外からも「その包丁が欲しい・どこで買えますか?・メーカーは?」などのコメントやDM、そしてインフルエンサーから動画の使用許可を求める要望もあり、反響の大きさを感じています。



このように、ユニバーサルエッジは多くのブレークスルーを実現し、SNSを通して世界に認知され始めています。

実際、この1ヶ月でユニバーサルエッジ関連の問い合わせが急増し、包丁の供給が間に合わない状態になったため、ストアのサイトは「再入荷リクエストのお知らせ」に切り替えました。



今後は「日本で生まれた新カテゴリーの包丁」として海外にも視野を広げながら、量産に向けて活動を続けていこうと思っています。



以上、ユニバーサルエッジによるブレークスルーについてでした。



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