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ユニバーサルエッジのしなり方について

更新日:9月25日


ユニバーサルエッジのしなり方について質問をいただきました。


ユニバーサルエッジは、どちらかと言うとしなりやすい部類の包丁です。

適度にしなる刀身は、主に手首の疲れを軽減し、砥ぎやすさに貢献します。



実際にしならせてみたものが以下の画像と映像です。

PROCEEDもJOIZUも適度にしなりますが、JOIZUの方がよりしなります。


PROCEED
PROCEED

JOIZU
JOIZU


動画はそれぞれ2つの角度でしならせました。

上がPROCEED、下がJOIZUです。


PROCEED


JOIZU

しなりに影響するポイントは、主に刀身の「厚さ」です。

刀身の厚さは「峰厚」や「母材厚」などと表現されます。

家庭用万能包丁のしなりやすさの目安は、峰厚が刃渡りの100分の1以下です。

峰厚が薄いほど、しなりの傾向が強くなります。

※刀身に使われる鋼材の種類や「刃幅・刃渡り・刀身のデザイン」などによってもしなり方が変わります。


2025年9月現在、弊社が販売しているユニバーサルエッジは、「PROCEED」と「JOIZU(26日発売)」の2種類です。

PROCEEDは180㎜の刃渡りに対して約1.8㎜の峰厚、JOIZUは190㎜の刃渡りに対して約1.7㎜の峰厚です。

しなりやすいのはJOIZUです。





◎「適度なしなり」の考え方


冒頭に書いたように、包丁の「適度なしなり」は、主に手首の疲労の軽減に貢献しています。

和包丁のようにまったくしなりがなくても家庭用万能包丁に適しませんし、逆にフレキシブルナイフのようにしなりすぎても家庭用万能包丁に適しません。


「適度なしなり」を具体的に数字で示すことは難しいのですが、車に例えるとわかりやすいと思います。

以前、包丁のしなりを車のサスペンションやハンドリングに例えたことがあります。


ファミリーカーの柔らかめのサスペンションは、走るステージを選ばず、少しのミスならなんとなくごまかしもきき、長距離走行でも疲労が少ない設定です。

どこでも走ることを目的として、汎用性の高い設定が多く、誰が運転してもある程度の性能を発揮します。

レーシングカーの硬いサスペンションは、サーキットという限定された場所で走るためにセッティングされているので、技術がある人がサーキットを運転すれば性能を発揮します。

しかし一般の人には動きが過敏すぎて疲れるかもしれません。


しなりのある「家庭用万能包丁」は、ファミリーカーの柔らかめのサスペンションのように、ある程度高いレベルでなんでもこなします。

一方、しなりのほとんどない「和包丁」は、スポーツカーの硬めのサスペンションのように、ベテランが使えば高い性能を発揮しますが、汎用性がない・維持コストがかかる・高い精度の動きが必要など、専門性が高い包丁なので一般の人には扱いにくいです。

和包丁が一部のマニアやプロ向けとされているのは、「しならない」ということもその理由のひとつと言えそうです。



余談ですが、過去のブログに富士モータースポーツミュージアムに行ったときのレポートがあります。



「しなり」については以下の記事も参考にしていただければと思います。

「刀身の薄さのメリット ―しなりのメリット―」




JOIZU豆知識:


JOIZUは海に囲まれた南伊豆町で考案され、PROCEED以上に魚を切ることを意識した包丁です(PROCEEDも魚を切ることができます)。


「オールステンレス・継ぎ目のない口金・ハンドルに凹凸がない」という3つの特徴によって、ウロコやドリップなどの汚れを寄せ付けません。

食洗器で洗うこともでき、オールステンレスのメリットが最大限に活かされています。


JOIZUについては以下2つのブログも参考に。


「JOIZU」と「PROCEED」の比較


JOIZUの特徴や作られた経緯など ―最高の実用性を求めて―



以上です。

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