富士モータースポーツミュージアムに行って

更新日:11月18日


先日、富士スピードウェイの西ゲート側にオープンした

「富士モータースポーツミュージアム」に行きました。








私は車のことは詳しくないのですが、車の進化の歴史を私の包丁の活動に重ね合わせながら、興味深く館内を回ることができました。

スケッチを見たときは、私の図面もこんなふうに飾りたいなど、展示方法の参考にもなりました。




特に印象的だったのは時代の流れによって富士スピードウェイのコースレイアウトが変わっていったことです。

包丁も時代の流れによってデザインや構造が変わっているので、共感する部分がありました。

富士スピードウェイは、これまでに数回コースレイアウトを変えています。

「性能が上がってスピードが出すぎるからシケインを作った」「最適ラインを求めて車が密集してしまうのを防ぐため自由度の高いコースにした」など、車の性能の変化や、安全性を考え、コースレイアウトが変わっていったそうです。

その他にも様々な理由が絡んでコースレイアウトが変わっていったという側面もあると思いますが、「安全・楽しい」を追求した結果、今のコースレイアウトに進化していったのだと思います。



写真はコースレイアウトの変化です。

ミュージアムの壁面に1966年から現在までのコースレイアウトが描かれていました









私はつい、コースレイアウトの変化が、包丁の刃線の変化に見えてしまい、包丁の歴史を振り返っていました。

たとえば120年前の車は、馬車の影響が強く、馬車にエンジンをつけたようなデザインでしたが、エンジンの性能が上がりスピードが出るようになると、空気抵抗を考えた設計になっていきました。

エンジンの力が増えただけではカーブを早く走ることはできず、軽量化の技術や、タイヤやサスペンションも進化したそうです。



包丁も、人間の生活様式の変化に応じて進化を続けています。

大昔の石器の刃物は、食材を切り分けることが目的でした。

極細の千切り野菜を作れる刃物はなく、そんなことを考える人もいなかったはずですが、石器から青銅器になり、鉄器になり、その鉄はステンレスになり、今も進化を続けています。

時代が進み、金属が進化し、多様な切り方ができる包丁が生まれました。

包丁の刃線も、厚みのある直線的なものから、直線と曲線の組み合わせになり、生活様式や切るもの、使う人の身長などによって、直線と曲線の組み合わせの比率や、曲率などが変わってきました。




レースカーは、速く走ることが目的になっていて、速く走れる代わりに、定員は一人か二人、荷物は積めず、燃費も良くないですし、エアコンもありません。 価格はとても高価で、性能を維持するにもコストがかかります。

一方、ファミリーカーは、レースカーより速く走れませんが、その代わり、4人以上乗れる、荷物をたくさん積める、燃費が良い、エアコンが効く、乗り心地が良い、車内が静か、価格が安いなど、一般の人が車に求める全ての性能を高いレベルで達成しています。



私が研究している包丁は、レースカーではなく、ファミリーカーのような包丁だと思っています。

たとえば、100年前の車のエンジンは、現代のものよりパワーがなく大きなもの(重いもの)が主流でしたが、時代と共にエンジンの性能が上がるほど、排気量は小さく、軽くなっていきました。


エンジンが進化することで、車としての様々なメリットが生まれたように、包丁も、時代と共に金属が進化するほど、包丁に求められる多くの性能を満たすことができるようになりました。



現代の刀身は、厚さ1㎜以下でも折れることは少なくなり、刀身を薄くできることで様々なメリットが生まれ、私が考案した刃先厚と砥ぎ角の組み合わせの包丁も作れるようになりました。



レースカーのような包丁を作ることはできませんが、「ファミリーカー」のように、たくさんの人に使ってもらえる家庭用包丁を作ることが、私の役割だと感じました。



余談:

当日は「体験走行枠」で富士スピードウェイを走りました。

皮ツナギを着る必要のない「のんびり走行」です。