「包丁の常識を疑う」シリーズ【第4回】包丁の使い方も合わせて提案したい
一部の包丁ユーザーの中では「高価な包丁ほど切れ味が良い」「硬い金属ほど切れ味が良い」ということが常識とされています。
しかし実際は、不正解と言えます。
第1回で登場した「KISEKI:」は理論上最高の切れ味を誇る高価な包丁ですが、トマトの皮はめくれ、断面の一部はざらざらしていました。
そして、その理由は包丁の「使い方」にありました。
包丁の切れ味を発揮するには「使い方」も大切な要素になります。
良い包丁と良い技術、その両方がそろって本当の意味で「良い包丁」になるのだと私は考えています。
◎技術は自然には伝わらない
「技術」は、包丁を「売っただけ・買っただけ」で自然に伝わるものではありません。
もしメーカーが包丁だけを販売して終わりなら、お客様はその包丁が持つ本当の価値を知らないまま使い続けてしまうかもしれません。
それは、とてももったいないことだと思います。
包丁メーカーが利益を得るためだけに包丁を販売しているなら、高価な包丁(特殊な鋼材を使った包丁)を売るだけでも良いかもしれませんが、包丁メーカーの経営理念は「利益を得ること」だけではないはずです。
最新の高性能なデジタルカメラを買っても、オートモードだけで撮るのと、絞りやシャッタースピードを理解して意図的に撮るのでは、同じカメラとは思えないほど写真が変わることがあります。
包丁も、それと同じようなことかもしれません。
高価な鋼材をどれだけ鋭く砥いでも、そしてどれだけ薄く仕上げられた包丁でも、ただ切るのと、切り方を理解して意図的に切るのでは、同じ包丁と思えないほど食材の表情が変わることがあります。
包丁メーカーは包丁を売るだけでなく、同時にその包丁の性能を活かす切り方も発信できれば、よりユーザー本位の仕事をしていると言えるかもしれません。
◎「つくる責任」としての「伝える責任」
近年、SDGsのひとつとして「つくる責任・つかう責任」という言葉を耳にするようになりました。
私は、この考え方は包丁にも当てはまると思っています。
メーカーは、より良い包丁をつくる責任があります。
そしてもうひとつ、「つくる責任」のひとつとして、作った包丁の性能を引き出すための知識や技術を伝える責任もあるのではないかと思います。
ここまで4話、読んでくださりありがとうございました。
「常識」というのは、時代によって変わっていくことがあります。
過去の常識をアップデート
備考:こんな常識も疑ってみたい
弊社のスタッフブログには、以下のような記事もあります。
興味がある方はぜひご一読ください。
番外
以上です。


