「家庭用万能包丁にとって大切なことってなんですか?」と質問をいただきました。
家庭用万能包丁にとって大切なことはたくさんあり、人によって求めるものが違うため優先順位はつけがたいのですが、これまでにもお伝えしてきたことをあらためて書いてみたいと思います。
「家庭用万能包丁にとって大切なもの」と考えると、人によって「素材・デザイン・ブランド」などがあるかもしれません。
もちろん「切れ味が大切」と思う人も多いかもしれませんし、ユニバーサルエッジを販売している弊社にとっては、「刃離れ」も大切なことです。
そして家庭用万能包丁にとってなにが大切か考えたとき、ひとつ忘れがちなことがあります。
それは「砥ぎやすさ」です。
包丁は物を切る道具なので、「切れ味」が大切なのは当然です。
しかし切れ味の維持は、最終的に「砥ぎやすさ」にかかっています。
どんなに良い金属でも、刃先が丸くなっていたら切れません。
「意外な盲点・忘れがちなこと」なのですが、包丁の性能を維持する意味で「砥ぎやすさ」は大切です。
また、たとえ切れ味が良くても、新品時の切れ味を維持するのに毎月1万円のコストがかかるようでは現実的ではありません(趣味やプロの世界ならもちろんアリだと思います)。
砥ぎやすい包丁なら、「切れ味が悪い」と思ったとき、その場ですぐに切れ味が復活します。
砥ぎやすい包丁というのは、具体的には「刀身が薄い・片刃・刀身がしなる・ステンレス・刃線の曲率が緩やか」などです。
つまり、「人間側が最小限のケアをすれば切れ味を維持できる包丁」です。
※詳しくは「研ぎやすい包丁とは」を参考に
その他、家庭用万能包丁に大切なものの上位は、「汎用性・安全性・メンテナンス性・寿命」などがあります。
「汎用性」については、汎用性が高いほど、他の包丁が不要になり、購入費用と保管場所の節約ができます。
また、包丁を持ち替えたときの感覚の違いによる不都合もありません。
「安全性」については、安全性能が高いほどケガの度合いが少なくなり、作業の中断や治療の時間、費用などが不要になります。
ケガをしなければ精神的な負担も減ります。
※ユニバーサルエッジの世界一の安全性能についてはコチラ
「メンテナンス性」は、「洗って放置」ができる包丁ほど優れていると言えます。
ハガネは「サビ」を出さないためのメンテナンスが必要ですし、差し込み式の木柄は衛生面で気を使います。
やはりオールステンレスや口金式のステンレスの包丁がメンテナンス性は高いです。
「寿命」はもちろん長い方が優れています。
柳刃包丁や、サビが出ると砥ぐ必要があるハガネ素材の包丁は寿命が短い傾向があります。
包丁の寿命については以下を参考に
そしてもちろん「刃離れ」も大切な要素です。
以下に続きます。
◎刃離れ
「刃離れ」とは、包丁の刀身に切った食材がくっつくかどうかです。
「刃離れが良い・刃離れする」とは、切った食材が包丁にくっつかないということです。
「キュウリの輪切りや玉ねぎのみじん切りが包丁にくっつく」、という現象などから、「家庭用万能包丁にとって大切なことは "刃離れ"。 刃離れの良い包丁が欲しい!」という声も多くのユーザーから出ています。
包丁メーカーもユーザーの願いはよくわかっていて、これまでに「穴あき・ディンプル・リブ・コーティング」などで解決しようとしましたが、どれもデメリットの方が多く、ユーザーのニーズに応えられないままでした。
たとえば、穴あき包丁は「猫の手を使ったときに左手の指の関節が穴に引っかかって痛い・穴に汚れが溜まる」、ディンプルは「コスト面・強度の問題・効果が弱い・汚れが溜まる・左右利き手が必要になる」、リブは「切り込み抵抗が増える・汚れが溜まる・左右利き手が必要になる」、コーティングは「刃離れ効果はほとんどない」など、デメリットが勝っていました。
また、これらは全て「両刃」の包丁でした。
本来両刃の家庭用万能包丁は「左右兼用」として使えることもメリットとされ、「片刃(和包丁)」と比較すると製造と管理が楽なのですが、ディンプルやリブをつけた包丁は左右別々に作る必要があり、その分の管理や製造のコストもかかってしまいました。
しかしユニバーサルエッジは、これらの問題を、「刃物として考えられる最も単純な刃付け」で解決しました。
また、ユニバーサルエッジは片刃なのですが、刀身は左右対称の洋包丁がベースなので、最終的に刃付けだけで左右の利き手に対応できます。
つまり、ベースが同じ刀身のため製造コストがかからないというメリットもあります。
※右利き用として作られた和包丁は、両刃や左利き用にすることはできませんが、ユニバーサルエッジは左右の片刃だけでなく両刃にも砥ぐことができます(個人的には完全片刃のままにしてほしいところですが・・・笑)。
以下の図の上が「従来品」、そしてその下の「片刃」が「ユニバーサルエッジ」です。
下の動画は、画面左側の4種類が従来品です。
上から「コーティング・穴あき&リブ付き(右利き用)・ディンプル(右利き用)・コーティング」の順です。
画面右はユニバーサルエッジです。
※「刃離れが魅力」と言われる包丁の切り比べのブログはコチラ
※「最も単純な刃付け」が生み出す効果についてはコチラ
◎まとめ
家庭用万能包丁にとって大切なことをまとめると以下になります。
砥ぎやすさ
刃離れ(ユニバーサルエッジが実現)
汎用性
安全性
メンテナンス性
寿命
参考:弊社が考える家庭用万能包丁に求められる性能
家庭用万能包丁に求められる性能については以下も参考に。
1:汎用性の高さ(どんな作業でもできる)
2:大きな食材の処理のしやすさ(刃渡り・ハンドルの太さ)
3:細かい作業のしやすさ(切っ先の細さ)
4:薄切りや千切りのしやすさ(片刃が得意)
5:硬いものの切りやすさ(切り分け・乱切り→ユニバーサルエッジの苦手分野)
6:野菜の刻み作業のしやすさ(刃線の適応性)
7:手首の疲れにくさ(重心位置・重さ・しなり)
8:皮むきのしやすさ(片刃・軽量)
9:刃離れの良さ(ユニバーサルエッジの得意分野)
10:パンの切りやすさ(刃渡りの長さ)
11:錆びにくさ(素材)
12:砥ぎやすさ(素材・刃付け)
13:刃線の維持のしやすさ(しなり)
14:切れ味の良さ(砥ぎやすさ)
15:切れ味の維持のしやすさ(砥ぎやすさ)
16:衛生の保ちやすさ(口金・ステンレス)
17:保管のしやすさ(1本だけ)
18:価格(高コスパ)
19:切れ味維持のコスパ(低コスト)
20:刃の減りにくさ(包丁の寿命アップ)
以上、「家庭用万能包丁にとって大切なこと」でした。