以下はユニバーサルエッジで「皮つき鶏もも肉」を切る動画です。
包丁を往復させず「片道」で切ります。
皮つきの鶏もも肉があったら、みなさんもご自宅の包丁で同じように切ってみてください。
皮つき鶏もも肉の片道切り
◎切れ味あれこれ
SNSで動画を配信していると、ユニバーサルエッジで食材を切る動画を見た方々から「切れ味」についてのコメントもいただきます。
「とても切れ味が良いですね」というコメントがある一方で「切れ味が良くないと思います」などのコメントもあります。
ユニバーサルエッジの切れ味は、充分にコストをかけた究極の切れ味を「切れ味レベル10」とした場合、トータルで「レベル8」程度の切れ味です。
「映像」だけを見ている人にとっては切れ味が良く見える場面も多いかもしれませんが、切る「音」を慎重に聴いた人は、切れ味が悪いと感じることがあるかもしれません。
高性能なマイクで音を拾うと普段聞き慣れない音が聞こえるため、私も「こんな音がするの?」と新しい発見をすることがあります。
また、切った断面の「ツヤ」を見て判断している人も多いかもしれません。
趣味などで「究極の切れ味」にこだわる人にとっては、家庭用として砥がれたユニバーサルエッジが作る断面のツヤには不満が出ると思います。
「レベル8」の切れ味をどう感じるかは人によって様々ですが、「レベル10」の切れ味にこだわる人から見れば「切れ味が悪い」と感じますし、一般家庭で包丁を使っている人から見れば「切れ味が良い」と感じる傾向があります。
◎接触:刃先の仕上げ
皮つきの鶏もも肉は柔らかい食材なので、切るときに大切なのは「刃先の仕上げ」です。
これまでにも何度か登場した「切れ味の4要素」で言えば、皮つき鶏もも肉を切るときは、「刃先の仕上げ」が最も大きな要因になります。
下図「1接触」の枠内左側の「究極」というのが、「切れ味レベル10」です。
ユニバーサルエッジはその隣の「一般」の部類に入ります。
◎実際の「切れ味レベル8」の切れ味とは
私が考える「切れ味レベル8」は、冒頭に紹介した動画のように、皮を上にして鶏もも肉を置き、包丁の切っ先をまな板につけてアゴを上げ、そのまま包丁を手前に引いたときに肉が切れるかどうかです。
包丁が肉の上を往復せず「片道」で切れる状態です。
切れれば「レベル8」です。
「切り方」にもコツがあるのですが、ある程度の刃先の鋭さがなければこのように切ることはできません。
以下にもう一度動画を添付します。
「レベル8」の切れ味の動画(冒頭の動画と同じです)
この切れ味を維持できれば、家庭でのほとんどの作業がストレスなくでき、一般家庭で気軽に維持できる切れ味としては最高レベルと言えます。
実際に私はユニバーサルエッジだけでレストランのメニューや賄いを10万食作りました。
◎最高レベルの手軽さで
ユニバーサルエッジは一般家庭で最高レベルの切れ味ですが、同時に、「誰もが手軽に維持できる切れ味」でもあります。
ほとんどコストがかからず、誰もが手軽に維持できるので「現実的な切れ味・背伸びしていない切れ味」と言ってもよいかもしれません。
簡単に書くと、
「ユニバーサルエッジは、一般家庭で最高レベルの切れ味を、最高レベルの手軽さで維持できます」
ということです。
そしてその理由は、「最も単純な刃付けだから」です。
ユニバーサルエッジの刃付けは、刀身の刃先の片側を砥いだだけです。
「小刃・糸刃」もなく、コンベックスでもなく段付きでもなく、ただのフラットグラインドです。
「利き手側」を砥ぐだけ、しかも「シームレス砥ぎ」が可能なので、熟練した技術がなくてもキレイな刃線を維持できます。
その結果、上の動画のような切れ味を手軽に維持できます。
※「最も単純な刃付け」についてはこちら
※「シームレス砥ぎについて」はこちら
砥ぎのプロや包丁メーカーに砥ぎを依頼することで、レベル8よりもさらに切れ味を良くすることはできますが、その切れ味の維持には大きなコストがかかってしまいます。
つまり「9・10」の切れ味は、「一般家庭では再現するのは難しい切れ味」と言えます。
以下は包丁の切れ味を「切れ味レベル」で段階的に示したイメージ図です。
コスト度外視の究極の切れ味がレベル10、包丁メーカーの最高の刃付けがレベル9、一般家庭の最高の刃付けがレベル8です。
維持費などの数字はおおよその目安です。
※レベル1~4は省略しています
切れ味レベルのイメージ図
あくまでもイメージなので細かい話は置いておきますが、最高レベルの「切れ味レベル10」は、プロやこだわりのある人によるコスト度外視の刃付けによる切れ味です。
「切れ味レベル9」は、包丁メーカーが出荷するときの新品状態の刃付けです。
メーカーの評判にかかわるため、多くのメーカーがとても良い切れ味にして出荷しますが、一般家庭にある道具では再現できない場合がほとんどです。
メーカー製の新品時の切れ味の再現には「メーカーの砥ぎサービス」が必要になり、その都度コストがかかります。
そして「切れ味レベル8」が、動画で紹介した切れ味です。
家庭で用意できる一般的な砥石を使い、動画と同じ切れ味を低コストで楽しめる「現実的な切れ味」です。
そして、通常の一般家庭の包丁の切れ味は、切れ味レベル7以下という印象です。
5以下になると様々な場面でストレスになり、砥ぎ直しが必要になると思います。
※切れ味と維持コストの関係については以下を参考に
切れ味の維持に必要なコストの比較
◎まとめ ユニバーサルエッジの切れ味
ユニバーサルエッジが追求したものは、主に「薄切りの刃離れ・砥ぎやすさ・汎用性」です。
決して「切れ味」を追求した包丁ではありませんが、切れ味が悪いわけではなく、動画のような「家庭レベルでは最高の切れ味(現実的な切れ味)」を簡単に維持できます。
「複雑な刃付け・職人による鋭い刃付け」は、使い初めの1週間、または1ヶ月ほどはレベル9の切れ味を維持しているかもしれません。
しかしその切れ味は一般家庭では気軽に再現できず、レベル8→レベル7→レベル6と徐々に切れ味が落ち、レベル7以下の切れ味が続く場合がほとんどです。
一方ユニバーサルエッジは、一般家庭でレベル8の切れ味を30年以上維持できます。
※ユニバーサルエッジの減り方についてはコチラ
仮に「コストに対する30年間の平均切れ味」という指標があれば、間違いなくダントツで世界一だと思います。
(「コストに対する30年間の平均切れ味抜群!」というキャッチコピーで販売するのは違和感がありますが・・・)
商業的戦略から「左右非対称・コンベックス・皮砥仕上げ」など、一般家庭では維持しにくい刃付けで出荷される包丁も多い中、ユニバーサルエッジの刃付けは、ユーザーに寄り添った刃付けと砥ぎやすさで、一般家庭で最高レベルの切れ味を実現しています。
・・・と、ここまでいろいろ書きましたが、包丁の切れ味を判断するのは、最後は主観が一番大切です(^^
以上、「切れ味レベル8」の話でした。
Comments