ユニバーサルエッジは、「次世代型家庭用万能包丁」です。
現代の刃物用鋼材の特徴と生活様式をふまえた新しい考え方によって誕生しました。
和包丁の「片刃」と、万能包丁の「裏スキなし・薄い刀身」の組み合わせが特徴です。
これまでの万能包丁と比較してメリットが多いのですが、「デメリット」もあります。
中でも最も特徴的なデメリットが「硬い食材の切り分け」です。
その理由は、刃先が片刃構造になっているためです。
その他にも、考え方によってはあと2つ「デメリット」と言える特徴があります。
ひとつが「新品時の切れ味」、もうひとつが「ポテトチップス現象」です。
この3つについて順に書きます。
◎デメリット1:硬い食材の切り分け
硬い食材の切り分けは、片刃包丁の最も苦手な分野です。
ユニバーサルエッジは刀身が薄いため、硬い食材を切り分けるのは「和包丁」よりも得意ですが、それでも両刃の万能包丁と比較すると、硬い食材の切り分けは使いにくいと感じます。
硬い食材を切り分けるときのコツは、切っ先側を使い、左に傾けて振り子のように切ることです。
以下はユニバーサルエッジで「大根・玉ねぎ・ニンジン」を切り分ける動画です。
切り込み抵抗は両刃と比較して強く感じますが、慣れることで動画のようにある程度まっすぐ切ることができます。
硬いものの切り方は下記ページ半ばあたりの「練習②」を参考に
「初めての片刃のシェフナイフ(①~③)」も参考に。
片刃の特徴や薄切りのコツについても記載があります。
◎デメリット2:新品時の切れ味
弊社が販売している包丁ユニバーサルエッジの「刃先の仕上げによる切れ味」は、他の包丁メーカーの新品時の切れ味より少し劣ります。
一方、他の包丁メーカーの新品時の切れ味は、一般的な家庭で維持することは困難で、新品時から数週間は鋭い切れ味を楽しむことができても、落ちた切れ味を復活させるにはメーカーの研ぎサービスが必要になります。
「実用的な切れ味をご家庭で気軽に維持できる」というのがユニバーサルエッジのコンセプトなので、ユニバーサルエッジは新品時からご家庭で維持できる切れ味でご提供しています。
また、以下に紹介させていただく動画にあるように、ユニバーサルエッジの切れ味は、一般家庭では「充分に切れる」と評価されるものです。
※ユニバーサルエッジの切れ味にご不満を感じる方は、プロ並みの研ぎのスキルがある方だと思います。
実際に、弊社の商品をご自分で砥いでアレンジする方もいらっしゃいます。
動画:ユニバーサルエッジの切れ味(レベル8の切れ味)
皮つき鶏もも肉を皮を上にし、包丁を引くだけで切ります
(ユニバーサルエッジは動画の切れ味を1日あたり数円で維持できます)
切れ味の維持に必要なコストの比較については以下を参考に。
「実用的な切れ味をご家庭で気軽に維持できる」ということの意味が伝わればと思います。
弊社の「切れ味」についての考え方は以下です。
「切れ味レベル8」について
◎デメリット3:ポテトチップス現象
ユニバーサルエッジは刃離れが良いのですが、薄く切った食材が曲がりながら切れていき、ポテトチップスのような形になることがあります。
硬い食材を薄く切るほど曲がりの度合いが大きくなります。
これは刃先厚が厚めの両刃包丁でも同じ現象が起こりますが、両刃包丁は薄切りが不安定になりやすく、ポテトチップス現象が出る前に半分に切れたり厚さが変わったりしてわかりにくい傾向があります。
また片刃でも、薄刃包丁(和包丁)ならポテトチップス現象は起こりませんが、刃離れが悪くなります。
ポテトチップス現象がデメリットになるかどうかは、ユーザーの考え方次第かもしれません。
参考までに、延べ10万人のお客様に食事を提供し、ポテトチップス現象が原因でクレームをいただいたことはありません。
以下はポテトチップス現象がわかりやすい動画です。
※曲がりを直したい場合は上から押さえることで曲がり方が緩和します
下記インスタグラムの薄切り動画は、厳密に言えば全て「ポテトチップス現象」が起こっています。
薄切りにした野菜を千切りにするならポテトチップス現象が起こっても問題ありませんが、見た目の好みなどでポテトチップス現象が起こると不都合な場合は、刃先の薄い両刃包丁か薄刃包丁を使うことをお勧めします。
逆にポテトチップス現象によって少し丸みを帯びた野菜を並べることで、円形のお皿にピッタリの盛り付けができることもあります。
◎メリット
ユニバーサルエッジは、上記のようなデメリットがあります。
しかしそれと引き換えに、より大きなメリットを実現しています。
例えば「ガラケー」と「スマホ」のどちらを持つかという選択肢があるとき、現在はほとんどの人がガラケーより大きくて重いスマホを選びます。
「大きくて重い」というデメリットがあるにもかかわらずスマホが選ばれる理由は、「ガラケーより便利だから」なのですが、ガラケーよりスマホの方が便利かどうかは、しばらく使ってみないとわかりません。
まだ歴史の浅い「ユニバーサルエッジ」は、まさにスマホのような包丁です。
「硬いものが切り分けにくい」というデメリットがあることは事実ですが、一部のユーザーの間では、それ以上の便利さや楽しさがあることが伝わり、とても喜ばれています。
以下の2つはそんな方々のエピソードです。
1:爆笑しながら切りました ―10人のお客様のエピソード―
2:調理師を目指すお客様からの声
また、料理家のジョージさんのYouTube動画にある「ワシは片刃一択」という言葉も印象的です。
プロの世界では数十年前から片刃の洋包丁(ユニバーサルエッジも片刃の洋包丁の一種)は存在し、片刃のメリットが大きいということが認知されています。
図:ユニバーサルエッジとプロ用片刃洋包丁の違い
ユニバーサルエッジは、「薄い刀身・薄い刃先・短い切り刃」などにより、砥ぎやすさや薄切りの刃離れ効果をアップさせ、プロ用よりさらに使いやすくなっています

◎比較図
最後に性能比較表です。
ユニバーサルエッジは「硬いものの切り分け」が苦手です。
また、比較表にはないのですが、新品時の切れ味とポテトチップス現象を、デメリットと感じる方がいるかもしれません。
しかしその他のメリットが大きいことが特徴です。

※従来型万能包丁(両刃の包丁)でも、「切っ先の引き切り」をすれば薄切りの刃離れがある程度良好な場合があります
以上です。