top of page

KISEKI:の砥ぎ方 ―切れ味の維持のしやすさについて―

  • 17 時間前
  • 読了時間: 6分

「KISEKI:」とは、岐阜県の「福田刃物」から発売された包丁です。

刀身にはダイヤモンドの次に硬いと言われる超硬合金の「KS111(ケーエスワンイレブン)」が使われ、トップクラスの長切れを誇る家庭用万能包丁です。



そのKISEKI:なのですが、この1年ほど、KISEKI:の研ぎ方について書いた弊社のブログの閲覧数が増えています。

「KISEKI:の研ぎ方」と検索すると弊社のブログが最上位に表示されるので、KISEKI:のユーザーが公式ページ以外の砥ぎ方を探しているということだと考えられるのですが、KISEKI:の砥ぎ方について書いたサイトがほとんどないため、弊社のブログにアクセスが増えたのだと考えられます。

※興味がある方は「KISEKI:の砥ぎ方」と検索してみてください


結論から書くと、後述する弊社推奨の砥ぎ方をすれば、公式ページの方法より手軽に、より良い切れ味を復活させることができます。





◎長切れ


KISEKI:の特徴は、ダイヤモンドの次に硬いと言われる金属を使っていることで、その硬さによって、新品時の切れ味が長持ちすることです。

これを「長切れする」と表現するのですが、刀身に硬い金属を使うほど長切れする傾向が強くなります。

しかし硬い金属は砥ぎにくい傾向があるため、「硬いほど砥ぐ手間が省ける」というわけではなく、主に次に砥ぐまでの時間が長くなるだけなので、いつかは砥ぐ必要があります。

極論すると、柔らかい金属は3日に一度1分砥ぐ、硬い金属は1ヶ月に一度10分砥ぐ、ということになり、必要な手間が大きく変わることはほとんどありません。





◎「おいしい切れ味」の維持には「砥ぎ」が重要


「切れ味の良い包丁で切った食材はおいしくなる」というデータがあるそうです。

福田刃物ではそれを「おいしい切れ味」と呼んでいます。


刃先が丸くなった包丁は切れ味が悪いのですが、それは超硬合金でも同じです。

どんなに硬度が高い金属の刀身でも、使っているうちに刃先が丸くなります。

そして丸くなった刃先では切れ味が落ち「おいしい切れ味」ではなくなります。


下図を見ればよくわかると思います。

左が「おいしい切れ味」の刃先、右がそうでない刃先です(右は刃先が丸い)。

切れ味が落ちた超硬合金よりも、鋭く砥がれたステンレスの方が「おいしい切れ味」に近いと言えます。


超硬合金のKISEKI:ももちろんいつか刃先が減り、砥ぎ直しが必要になります。

「おいしい切れ味」の維持には「砥ぎ」が重要だとわかります。


参考:

弊社が考える「切れ味」と「おいしさ」の関係は以下のブログを参考に。

「切れ味が良い=おいしくなる」と一概に言えないことがわかると思います。





◎公式サイトの方法でうまく砥げない場合


初めに書いたように、弊社ブログのアクセス数の増え方から、KISEKI:の砥ぎ方を検索している人が少なくないことが想像されます。


たとえば、


「KISEKI:公式サイトの方法ではおいしい切れ味が復活しない」


「里帰り(砥ぎ直しサービス)をしていたらその期間は包丁が使えない・代用品が必要」


などと感じているユーザーのみなさんには、ぜひ下記ブログと、弊社推奨の砥ぎ方「シームレス砥ぎ」を参考にしていただくことをオススメします(ブログ内にシームレス砥ぎの動画のリンクもあります)。

自分で砥げるようになると料理が一層楽しくなると思います。


用意するものはレジンダイヤモンド砥石6000番。

「シームレス砥ぎ」を使って砥ぎます。


詳しくは以下を参考に。

KISEKI: ―砥ぎ方について―


すぐに試したい方は以下を参考に。

シームレス砥ぎについて



ブログでは、公式サイトの方法では「おいしい切れ味」が復活しない理由なども記載しています。

KISEKI:という素晴らしい包丁の性能を最大限活かしていただければと思います。




参考:とても細かい話


「KISEKI:の砥ぎ方について、どんなに細かいことでも興味がある」という方は以下の情報も参考になるかと思います。


公式サイト内の「包丁の研ぎ方」という3分ほどの動画のワンシーンに「KISEKI:」を砥いでいる場面がありますが、KISEKI:の公式ダイヤモンド砥石を使う場合、上から見たときの包丁の角度が、45度以外で砥ぐことをオススメします(45度ちょうどで砥ぎ続けるのは難しいのですが・・・)。


下のイメージ図を参考にしてください。

横からの図で、刃先が溝に入ってしまうことがわかると思います。



公式の電着ダイヤモンド砥石には45度の角度で溝が入っています。

この溝が砥石を貫く形の一直線なので、包丁と溝の角度が一致すると、砥石の溝の中にKISEKI:の刃先が入ってしまい、動画ではKISEKI:を前に押すときに「カタカタカタ」と音が出ています。

この音が出るということは、上図のように刃先が溝に落ち、滑らかに砥げていないことを意味しています。

「包丁の角度が45度ちょうどになると刃先が傷む」と言えるので、砥ぐ場合は45度ではない角度をオススメします。

また、メーカー推奨の砥石が「電着ダイヤモンド砥石」なので、おそらく5回ほど砥いだところから研削力が落ちはじめます。

長く使うには、やはり電着ではなくレジン(焼結)の方が性能を維持できます。




備考:長切れする包丁は良い包丁なのか


新品と同等の切れ味を維持するには、簡単に書くと「長切れしない包丁(砥ぎやすい包丁)を自宅で頻繁に砥ぐ」または「長切れする包丁(砥ぎにくい包丁)を数か月に一度プロにお願いして砥ぐ」の2択になります。

KISEKI:は最も硬い金属を使っているので、一般家庭の主婦が自分で砥いで新品と同等の切れ味を維持するのは困難だと思われます。

そのため、新品時の切れ味を維持するには年間数万円の「里帰り(プロの砥ぎ直し)」と、代用の包丁が必要になります。

また、「長切れする」という特徴を活かすには、「できるだけ砥がない」ということが大切なのですが、それでは我慢できなくなるほど切れ味が落ちてから砥ぐことになりかねません。

その場合、砥ぐ前と砥いだ直後の切れ味の差が大きくなり、うっかりケガをすることもあります。

たとえば4万円の包丁を年間1万円のコストをかけて維持すると、20年で24万円かかります。

さらに、代用の包丁のコストもかかります。

このようなことを考えると、一概に「長切れする包丁が良い」とは言えないと思います。

一方で、長切れしない包丁でも、もし自分で砥ぐことができれば、20年で数万円のコストです。

しかも砥ぐ前と後の切れ味の差が少なく、ケガのリスクも少なくなります。

もちろん代用の包丁も不要です。




◎ぜひブログを


KISEKI:は家庭用両刃包丁の究極形だと思います。

あとは「砥ぎ方」です。

KISEKI:の砥ぎ方でお困りの方は、ぜひ下記ブログを参考にしてみてください。

もう一度紹介させていただきます。


「KISEKI: ―砥ぎ方について―」


シームレス砥ぎについて





◎ユニバーサルエッジにカスタム


まだ実施したことがないのですが、KISEKI:をユニバーサルエッジにカスタムしたいという方からの相談もお受けします。

KISEKI:は刀身が極端に薄いため切り込み抵抗が少なく、これほどユニバーサルエッジに適した包丁はないかもしれません。

しかもユニバーサルエッジにカスタムすることで、その後の砥ぎやすさと寿命が倍増します。

※砥ぎやすさ→利き手側の片面でよいので

※寿命が倍増→片側しか砥がないので


興味のある方はご相談ください。


以上です。

最新記事

すべて表示
食材を切るポイント  ―U-1グランプリで感じたこと―

2026年1月6日に開催された野菜を切る競技会「 U-1グランプリ」を振り返り、感じたことや各種目のポイントなどについて書いてみます。 野菜を美しく切ることができると、料理が楽しくなるだけでなく、作業効率も上がります。 楽しいから切る→切るから上達する→上達するからさらに楽しくなる・・・こんな好循環が生まれます。 競技が始まって私も感じたのですが、カメラや人の目があることによる緊張で、全体として普

 
 
bottom of page