食材を切るポイント ―U-1グランプリで感じたこと―
- tihal86
- 5 時間前
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2026年1月6日に開催された野菜を切る競技会「U-1グランプリ」を振り返り、感じたことや各種目のポイントなどについて書いてみます。
野菜を美しく切ることができると、料理が楽しくなるだけでなく、作業効率も上がります。
楽しいから切る→切るから上達する→上達するからさらに楽しくなる・・・こんな好循環が生まれます。
競技が始まって私も感じたのですが、カメラや人の目があることによる緊張で、全体として普段の実力を発揮することが難しい状況でした。
「実演販売」の時に感じるのは「楽しい緊張感」なのですが、競技会となると「プレッシャー」という感覚の方が強かったです(笑)
◎きゅうりの輪切り
1㎜の厚さで20枚切るという課題です。
やはり厚さを一定にするのは難しく、厚すぎたり薄すぎたりしてくっついてしまう印象がありました。
ホームポジションに構え、余裕のある一定のリズムと安定したフォームで切ることが大切です。
★輪切りのベストな厚さは?
きゅうりの鮮度や大きさ(直径)にもよりますが、概ね1mmくらいの厚さが刃離れが安定する傾向です。
★よくあるミス
・薄すぎてくっついてしまう
→少し厚めに切る
・厚すぎて刃離れしない
→少し薄く切ってみる
・下が厚くなった次の一枚の下が薄くなり貼り付く
→普段から包丁のホームポジションを意識しローリングの向きを気をつける
硬めのきゅうりを使うこともポイント
以下は「U-1グランプリ」で私がきゅうりの輪切りをしている動画です。
この動画は、参加した「砥ぎ道場」のけんたさんが録画し、アップしたものです。
「0:53」あたりから、記念すべき第一回U-1グランプリの一番手として切らせていただきました。
砥ぎ道場 【競技大会】U-1グランプリに行ってきました
「※平均1㎜の厚さを目指し20枚切り、私は20枚で20.2㎜でした。1枚当たり1.01㎜で平均100分の1㎜太くなりましたが納得の結果でした。
◎大根の切り分け
基本的に上側よりも下側が厚くなりがちですが、その差が大きな人はいなかった印象でした。
ポイントは、
「刃が薄い切っ先側で切る」
「左に傾けて右下に切り終わるイメージで切る」
「何度か切って慣れていく」
などです。
◎大根の薄切り
参加者のみなさんのほとんどは普段人前で切ることがなく、いつもとは違う緊張感のある環境で切ることになりました。
自分の作業に集中できる環境なら、さらに安定した結果が出たと思います。
1人で練習するときは、ホームポジションを意識してひたすら多く切る練習をするのが近道だと思います。
また、きゅうりと同様、大根が薄すぎても厚すぎても包丁にくっついてしまうため、安定した厚さで切る必要があります。
◎大根の千切り
かまぼこ型(ドーム型)に切った大根を1ミリ程度の薄切りにし、並べた後に千切りにしていきます。
千切りについては下記ブログの最初の動画が参考になると思います。
薄切りのコツについても書いてあります。
◎玉ねぎの切り分け(半分)
刃が薄い「切っ先側」を使い、包丁を左に傾けて振り子のように動かして切ります。
包丁を左にロールさせ少し右下を狙います。
やはり慣れが必要なのですが、ゲーム感覚で切ると作業が楽しくなり、あえて片刃のユニバーサルエッジで切りたくなる心理になります。
※この種目については、包丁料理人のおいりさんが、切り分けた玉ねぎが両方とも59gという結果を記録しました
◎玉ねぎのみじん切り
参加者のみなさんの多くは、弊社の包丁教室で「高圧スライド切り・高圧スライドスイング切り」と呼ぶ切り方を使っていました。
また、厚く切ると玉ねぎが右に倒れなくなり、その結果刃離れしにくくなるので、できれば薄く切ることが大切です。
これは理由がはっきりしないのですが、切っ先から切り始め、刃渡りを長く使った方が刃離れが良くなる印象です(フォームが安定し刀身がブレにくいのかもしれません)。
また、玉ねぎの大きさや硬さによっても刃離れ効果が変わります。
ある程度刃先が厚く、研ぎ角が鈍角なほど刃離れ効果が上がる傾向です。
玉ねぎのみじん切りについては以下
こちらの動画もわかりやすいと思います。
◎玉ねぎ薄切り
平均1㎜で切る薄切りです。
参加者のみなさんには、切り始めの「面出し」の位置は自由に決めていただき、それぞれ挑戦していただきました。
玉ねぎは半円(ドーム型)なので上から見て1㎜の幅で均等に切るというのは意外と難しいかもしれません、
私は厚くなってしまう傾向がありました。
以下の動画0:25あたりから薄切りです。
◎トマトのくし形切り
8等分のくし形切りがテーマでした。
皮が剥がれた時点で失格という、ある程度厳しい審査基準でしたが、よく砥いであればほとんど心配はいりません。
また、刃渡りを長く使うことで切れ味を増すことができるので、意識して刃渡りを使うことで美しく切ることができます。
「均等な重さ」に関しては参加者のみなさんの方が上手でした。
また、トマトを半分にした後に、切り口をまな板につけて切る人は重さが均等に近い傾向があるように感じましたが、これはさらに検証する必要がありそうです。
トマトのくし形切りについては以下のブログが参考になるかと思います。
以上「U-1グランプリ」で感じたこと、切るコツについてでした。
参考になれば嬉しいです。
余談ですが、私は刃物用の鋼材や既存の万能包丁の刃付けのことはよく知りません。
また、修行したレストランで扱うことのなかった「魚」についてはほとんど触れたこともなく、ユニバーサルエッジで一般的な野菜を切ることを研究しています。
しかも研究の対象は、薄切りや千切り、みじん切りという、一般家庭で基本的な切り方だけです。
「U-1グランプリ」は私の専門分野だったため私が優勝しましたが、それぞれの専門分野を持つ方々の技術や知識については、私は足元にも及ばないと思います。
たとえばおいりさんに代表されるように、彼は大根の桂むきのギネス記録保持者です。
技術だけでなく、研ぎに関しても日本屈指の知識と技術を持っています。
U-1グランプリはまた来年も開催したいと思っています。
よりよい大会にできたらと思います。




