包丁を砥ぐのが面倒な理由 ―従来の砥ぎ方とシームレス砥ぎの違い―
- 13 時間前
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◎はじめに
2026年4月現在、弊社では、ユニバーサルエッジは「砥石」を使って砥ぐことをオススメしています。
砥石を使うことをオススメする理由は、気持ち良い切れ味を手軽に維持することができ、食材を切ることが楽しくなるからです。
砥石を使うと、切れ味や切る楽しさがアップすることはほとんどだれもが知っているのですが、それ以上に「砥ぐのが面倒」と思っている人も多く、家庭で砥石を使う人は少数派です。
また、「包丁の砥ぎ方」と検索しても、様々な方法が紹介されているため、なにを信じてよいのかわからなくなったり、いろいろな情報が入り乱れてしまったりすることがあります。
砥ぎ師が専門用語を使いながら難しそうな顔で砥いでいると、一層難しそうに感じるかもしれません。
結局、わかりにくさや時間がかかることなどが、砥ぐことを特別なものだと感じさせている面もありそうです。
実際に「砥ぐ包丁の鋼材・砥石の種類・切る人の好み・切る対象」などの組み合わせによって砥ぎ方が変わるため、砥ぎ方に「正解」はありません。
正解がないので教える側に自信がないことも多く、あいまいなままなんとなく伝えられてきたというのが事実だと思います。
また、これまでの砥ぎ方は、準備と後片付けを含めて作業全体に20~30分かかり、周囲は泥水(水と砥粒の混合液)で汚れます。
以前はそれでも当然のように包丁を砥いでいたのですが、現在は、簡易砥ぎ器が発明されたり、砥ぎ代より安くて切れ味の良い包丁が買えるようになり、砥石で砥ぐことのデメリットの方が目立つようになってきたと言えます。
砥ぐのが面倒な理由をざっくりとまとめると、キーワードは、「砥ぎ方がわからない・時間がかかる・汚れる」あたりになりそうです。
逆に言えば、砥ぎ方が明確で短時間で作業が終わり、汚れが少なければ砥ぐことが面倒ではなくなるということです。
あくまでも「家庭レベルで必要な切れ味」について書きますが、みなさんは包丁を砥ぐ時間として「20~30分」または「1分前後」の2つある場合、どちらを選ぶでしょうか。
ほとんど同じ切れ味で仕上がるなら、後者を選ぶと思います。
そして後者が「ユニバーサルエッジとシームレス砥ぎ」の組み合わせです。
※家庭レベルで必要な切れ味については以下を参考に
今回は、砥ぐのが面倒な理由を考え、それを解決するために考案された「シームレス砥ぎ」と、長く伝えられてきた「従来の砥ぎ方」を比較します。
◎従来の砥ぎ方
従来の砥ぎ方とは、水に浸した砥石から泡が出なくなるまで待ち、刃先を3~4カ所に分けて左右両面を砥ぐ方法です。
砥いだ後は砥石を陰干しして乾かすという行程や、泥水を洗い流したりする後片付けなどもあります。
◎従来の砥ぎ方のデメリット
従来の砥ぎ方のデメリットは、主に「泥汚れ」と「時間」です。
以前の包丁は刃欠けをすることが多いため、それに比例して砥ぐ量が多くなり、金属の粉や砥石の泥が発生しました。
そしてその泥の影響で手の指先も真っ黒になります。
もちろん砥ぐ量が多いと時間もかかります。
現在は、砥石と刃物用鋼材の改良、そして食材の軟化によって刃欠けが減り、それに比例して砥ぐ量も減り、泥汚れと時間に関する弊害は少なくなりましたが、それでもまだ泥汚れの傾向は残っています。
「庭先や土間で手軽に砥ぐことができた時代」はそれでよかったかもしれません。
しかし現代は明るく清潔感のあるキッチンが増え、以前より泥汚れが敬遠される傾向です。
「作業時間」についても、同じ切れ味に仕上がるならできる限り短く済ませたいというのがユーザーの望みです。
ユーザーは常に「高いタイパ・高いコスパ」を求めています。
◎包丁を砥石で砥ぐのが面倒な理由
以下のような理由があると思います。
・砥ぎ方がわからない
・砥ぐときの角度がわからない
・複数に分けて砥ぐので時間がかかる
・準備に時間がかかる
・片付けに時間がかかる
・どの砥石を使うかわからない
・簡易シャープナーがある
・新品に買い替える方が早い
・砥石が重い
・砥石が割れた
・かわいいキッチンの雰囲気に砥石が合わない
・キッチンが汚れる
・指先が汚れる
・ケガが怖い
◎各項目ごとの説明 ―従来の砥ぎ方の場合―
・砥ぎ方がわからない
砥ぎ方は金属や砥石の質、切る食材、どう切るかなどの目的によって千差万別なので、正解がありません。
砥ぎ方の動画を見ると、砥ぎ師によってそれぞれのスタイルがあり、混乱する人も多いと思います。
・砥ぐときの角度がわからない
「何度で砥ぐのかわからない・15度と言われてもその角度がわからない」など、砥ぐ角度について不安になり砥ぐのが面倒になります。
・複数に分けて砥ぐので時間がかかる
切っ先、刃中、アゴなど、数か所に分けて砥ぐと時間がかかります。
・準備に時間がかかる
砥石の準備として、「10分以上水に浸す・台を用意する・滑り止めと手拭きのタオルを用意する」などの時間がかかります。
・片付けに時間がかかる
上記で準備したものを片付ける手間がかかります。
倒れないように置く、陰干しする、面を平らにしておく、などの作業が必要です。
・どの砥石を使うかわからない
初心者が自分で砥石を買うには、砥石の種類が多すぎて混乱を招きます。
・簡易シャープナーがある
簡易シャープナーがあるため、あえて砥石を使う気にならない人も多くいます。
・新品に買い替える方が早い
デザインや所有満足感は別として、切れ味の良い包丁が1000円台で買える時代なので、砥ぎ代を考えると新品を買ってしまう方が良いと考える人もいます。
・砥石が重い
砥石は簡易シャープナーより重いので、作業そのものが面倒になります。
・砥石が割れた
砥石を割ってしまったことがあると、砥石を使って砥ぐことよりも、簡易シャープナーの方が合理的と考えるかもしれません。
・かわいいキッチンの雰囲気に砥石が合わない
デザイン的に砥石を使いたくない人もいるかもしれません。
特にオシャレなキッチンを目指している人にとって砥石のデザインは無骨に感じるかもしれません。
・キッチンが汚れる
砥ぐ作業では泥水と金属粉の混合物が出てキッチンが泥汚れのような状態になります。
・指先が汚れる
刃物用鋼材によっては指先が真っ黒になり、金属のニオイが付着します。
・ケガが怖い
従来の砥ぎ方は刃先を「アゴ・刃中・切っ先」の3カ所に分け、しかも右と左で合計6カ所に分ける研ぎ方が主流で、複雑で不安感がありました。
このように、ユーザーは、砥石で包丁を砥ぐことは「タイパが低い・コスパが低い」と考えていると思われます。
◎各項目ごとの説明 ―シームレス砥ぎの場合―
では弊社がお勧めする「シームレス砥ぎ」ならどうなのか、従来の研ぎ方と比較します。
・砥ぎ方がわからない
シームレス砥ぎは、包丁の置き方、動かし方、角度(ユニバーサルエッジの場合)が決まっていて、迷うことがありません。
・砥ぐときの角度がわからない
シームレス砥ぎの研ぎ角は、厳密ではありませんが「18度」と決まっています(ユニバーサルエッジには砥ぎ角度測定補助器具が付属しています)。
簡単包丁研ぎセットについては以下を参考に
・複数に分けて砥ぐので時間がかかる
シームレス砥ぎは、刀身をしならせて右側の刃線を一度に全て砥石に当てて砥ぐので作業は短時間です。
※しなる包丁ならほとんどの場合シームレス砥ぎができるのですが、にもかかわらず「アゴ・刃中・切っ先」と複数に分けて砥ぐ理由は、和包丁時代の名残かもしれません。
和包丁は刀身が厚く、しならないため、複数の部分に分けて砥ぎます。
また、昔の包丁の刀身は概して靭性が低く、しならせると曲がったり折れたりした可能性もあります。
・準備に時間がかかる
シームレス砥ぎにオススメしている砥石は非吸水性なので、数秒あれば砥石の準備は完了です。
・片付けに時間がかかる
シームレス砥ぎをすると砥粒がほとんど出ないため、片付けは数十秒で終わります。
・どの砥石を使うかわからない
シームレス砥ぎには「レジンダイヤモンド(焼結ダイヤ)」の砥石をオススメしています。
番手は1000と6000の二つ持ちがオススメですが、ご家庭で頻繁に砥ぐことができるなら6000をひとつからでOKです。。
2つ持ちの理由は、慣れた人なら1000が刃欠け直し用、6000が普段使い用として使えるからと、共擦りをして砥石の面のコンディションを維持するためです。
オススメの砥石については以下を参考に
最近発売した高コスパの砥石セットです。
・簡易シャープナーがある
シームレス砥ぎは簡易シャープナーで砥ぐのとほとんど同じ時間で砥げ、仕上がりは簡易シャープナーと砥石の中間の仕上がりです。
・新品に買い替える方が早い
シームレス砥ぎはコスパが良いことが特徴です。
計算上、1万円の砥石を20年使えるので年間500円、一日あたり2円以下です。
包丁やまな板と合わせても1日あたり4円程度です。
新品に買い替えるための手間も省けます。
・砥石が重い
昔の砥石は減りやすかったため厚さがあり重いものが主流でしたが、シームレス砥ぎに使う現代の砥石はそれより軽いので気軽に使えます。
・砥石が割れた
レジンダイヤの砥石はアルミの板をベースにしているので割れることはありません。
・かわいいキッチンの雰囲気に砥石が合わない
これは確かのその通りです(笑)
レジンダイヤの砥石も無機的でかわいくないです。
デザイン的に洗練されれば砥石で砥ぐ人も増えると思います。
・キッチンが汚れる
シームレス砥ぎは、減りにくいレジンダイヤモンド砥石を使い、片側を一度に全部砥石に当てて砥ぐため、砥ぐ量が最低限になりキッチンがほとんど汚れません。
・指先が汚れる
シームレス砥ぎを使うと、上記と同じ理由で指先がほとんど汚れません。
・ケガが怖い
シームレス砥ぎは、利き手側の刃を一度に全部砥石に当て砥ぐため、安定感があり恐怖心が少ないと思います。
砥ぐ時間も短いので、全体として従来の砥ぎ方より安心感があり、ケガの確率も低いと思われます。
◎まとめ
砥ぐのが面倒な主な理由は「砥ぎ方がわからない・時間がかかる・汚れる」などです。
逆に言えば、砥ぎ方が明確で、時間がかからず、汚れないなら、自分で砥ぐことも可能です。
「シームレス砥ぎ」は、従来の砥ぎ方による弊害の多くを解決、または改善しています。
最初は慣れが必要ですが、コツをつかんでいただければ、包丁砥ぎはきっと楽しくなります。
そして包丁砥ぎが楽しくなれば、料理はもっと楽しくなります。
以上です。



