「包丁の重心が手前にあるメリットは?」という質問をいただきました。
これは、洋包丁と和包丁の重心位置の違いについて話していた時にいただいた質問です。
重心が手前にあるメリットをひとことで言えば、手首が疲れにくいことです。
長時間の作業になるほど重心位置の違いで疲れに差が出ます。
同じ重さの包丁でも、洋包丁の重心は手前側にあり、和包丁の重心は切っ先側にあります。
たとえば以下の写真はユニバーサルエッジ(洋包丁)と和包丁(菜切り)の比較です。 154gと155gで重さはほとんど同じですが、重心位置が違います。
【ふたつの包丁の重さ】
同じ重さです
【PROCEED】
16:139
【菜切り】
61:94
重心位置が手前にある主なメリットは以下の4つです。
1:手首が疲れにくい
同じ重さでも、重心が手前にあるほど手首が疲れにくく、皮むきなど、空間での作業が楽にできます。
金槌で比較すると重心位置の違いがわかりやすいです。
2:素早い動きに対応できる
重心が手前にあると手首の引き切りができます。
手首の引き切り
※ユニバーサルエッジは、「片刃+重心位置」の効果で、刃離れを保ったまま動画のような切り方ができます。「牛刀・菜切り・薄刃包丁」では、キュウリがくっついてしまいます。
これも金槌で比較するとわかりやすいです。
重心が手前にあるほど素早く動かすことができます。
3:切っ先を使った細かい作業が楽
切っ先側が軽くてコントロールしやすいため、切っ先を使った細かい作業が楽です。
4:包丁がすっぽ抜けない
ハンドルを握る手がうっかり滑ってしまったときでも包丁のアゴがストッパーになるので包丁を落とすことがありません。
以上、包丁の重心位置が手前にあるメリットについてでした。