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和包丁は全然ダメなんですか? ―趣味としての和包丁―

更新日:11月29日



前回の投稿では、「柳刃包丁は減りやすい・ユニバーサルエッジは減りにくい・ユニバーサルエッジがSDGsに貢献する」ということを書きました。

記事を読んだ方から「ユニバーサルエッジと比較して和包丁は全然ダメなんですか?」という質問をいただきました。



答えは「いいえ」です。

「全然ダメ」ではありません。



前回の投稿にも書いたように、「趣味・文化・芸術・心・感性」という視点では大切な存在だと思います。


私の専門分野は、家庭用万能包丁なので、包丁を「実用品・SDGs・効率の良さ」などの視点から見ています。

その場合、和包丁はマイナス要素が多いというだけです。





◎バイクで例えると


私の趣味のひとつ、バイクで例えると、和包丁を50年前のバイク、ユニバーサルエッジを現代の最新の電動バイクと考えるとわかりやすいと思います。


現在の視点から見れば、50年前のバイクの魅力は、数値的なものよりも感性的なものやデザイン的なものがあり、バイクそのものがブランド化しているものもあります。

カワサキのZ系、ホンダのCB系など、200万円以上(500万円以上のバイクも)する昔のバイクを購入して楽しんでいる人もいます。

従来のバイクの場合、チェーンやエンジンオイルのメンテナンス、時にはキャブレターの調整も必要で、メンテナンスではオイルやガソリンまみれになることもあります。

電動バイクならこれらの面倒がありません。


また、バイクの燃料はガソリンスタンドに行って入れますが、電動バイクなら、帰宅して充電プラグをコンセントに差し込むだけです。


燃費もガソリン車の何倍も良く、音も静かで場所や時間を選ばず乗れます。


ガソリン車のブレーキはただの消耗ですが、電動車の回生ブレーキは発生したエネルギーの一部を回収し再充電します。


家庭用万能バイクとして選ぶなら、必然的に現代の電動バイクが最高得点だと言えます。

※電動バイクは航続距離で劣りますが、普段使いではほとんど問題ない範囲です。



一般家庭に電動バイクが普及しはじめたのは、近年、効率の良いバッテリーが開発されたことが主な理由です。

昔のバッテリーでは、家庭向けの実用的な電動バイクは作れませんでした。

ユニバーサルエッジが開発されたのも、効率の良い刃物用鋼材が開発されたからです。

昔の金属ではユニバーサルエッジは作れませんでした(作れたとしてもとても高価)。



ちなみに私はヤマハのXSR700に乗っています。

「実用品・SDGs・効率の良さ」を重視するなら125ccのスクーターや電動バイクのはずですが、デザインが好きで買いました。



営業車とXSR700 

バイクの方が営業車より排気量が大きいです(笑)





◎家庭用万能包丁としての和包丁


以下は「家庭用万能包丁に求められる性能」として以前も書いたものです。


1:汎用性の高さ

2:大きな食材の処理のしやすさ

3:細かい作業のしやすさ

4:薄切りや千切りのしやすさ

5:硬いものの切りやすさ

6:野菜の刻み作業のしやすさ

7:手首の疲れにくさ

8:皮むきのしやすさ

9:刃離れの良さ

10:パンの切りやすさ

11:錆びにくさ

12:砥ぎやすさ

13:刃線の維持のしやすさ

14:切れ味の良さ(切り始め、切り込み、切り抜けなどトータル的な切れ味)

15:切れ味の維持のしやすさ

16:衛生の保ちやすさ

17:保管のしやすさ

18:価格

19:切れ味維持のコスト

20:刃の減りにくさ


考え方によっては優劣つけがたい項目もありますが、和包丁とユニバーサルエッジを比較すると、基本的に全ての項目でユニバーサルエッジが優れています。

「仕事では和包丁を使うけど家では洋包丁(ステンレスの牛刀)を使っている」という人が多いということでもわかるように、家庭用万能包丁としての和包丁にメリットはないと思います。





◎趣味としての和包丁


和包丁が「趣味」としての存在で、手間や費用をかけてメンテナンスをするのが楽しいなら、「汎用性・SDGs・効率の良さ」などは無視してもよいと思います

私もバイクの車検ごとに時間と費用をかけますが、見るのも乗るのも楽しいので大型バイクを所有しています。

和包丁は、「和包丁を趣味として楽しむ」という人にとっては、なくてはならない存在です。





◎まとめ


「ユニバーサルエッジと比較して和包丁は全然ダメなんですか?」という質問の答えは「いいえ」です。

家庭用万能包丁としてはオススメしませんが、和包丁は「趣味」として楽しめる魅力を持っています。




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