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玉ねぎのみじん切りの左側が難しい理由と対策 ―左傾斜と右傾斜―

更新日:17 時間前


ユニバーサルエッジで玉ねぎのみじん切りをするときに、終盤の切り方が難しいというご意見をいただきます。

「切り始めはリズムよく快適に切ることができるのに、後半になるほどペースが乱れる」という現象です。


具体的には、以下2つの動画の20秒前後あたりの切り方です。

「猫の手」ではなく、「親指」を添えて切っていることがわかります。

また、動画ではわかりにくいのですが、終盤になるほど包丁を「左に傾けて」切っています。






下図黄色のあたりが切りにくい部分です。

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玉ねぎのみじん切りの全行程は以下も参考に。

・玉ねぎのみじん切り



終盤で「猫の手」を使わない理由は、第一関節のケガを防ぐためです。

終盤で包丁を「左に傾ける」理由は、玉ねぎに対して包丁の刃先を乗せやすくするためです。

以下に続きます。




◎極端な「左傾斜」は危険度が増す


以下はみじん切り前半の写真です。

前半は食材が「右傾斜」しているため、「第一関節と包丁が当たる点ー1」と、「刃先と食材が当たる点ー2」の距離が長くなります。

1と2の距離が長いと、包丁の持ち上げ過ぎによる「第一関節のケガ」の確率が下がります。

つまり左傾斜は「安全度が高い」と言える状態です。


右傾斜 みじん切り前半
右傾斜 みじん切り前半


この写真はみじん切り終盤(左傾斜)の写真です。

右傾斜と比較して1と2の距離が短くなり、包丁の持ち上げ過ぎによって第一関節を切ってしまう可能性が高いことがわかります。

左傾斜 みじん切り終盤
左傾斜 みじん切り終盤


上の写真を図で示すと以下になります。

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このような理由から、玉ねぎのみじん切りの終盤では、猫の手ではなく、動画のような切り方の方が安全度や安定度が増します。

包丁を少し左に傾けているのは、刃の乗りを良くするためです。

包丁を左に傾けないと、刃先が玉ねぎから滑り落ちる(左親指のケガ)・玉ねぎを厚く切ってしまうなどの弊害があります。

※実践するときは左手の親指を切らないように充分注意してください



終盤はこのように切ると切りやすいです

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上の写真の別角度です

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◎「左傾斜」は刃が乗りにくい


ユニバーサルエッジで玉ねぎのみじん切りをするときは、切り始めは垂直に切ることができますが、終盤になると包丁を左に傾ける必要があります。

以下の図で理解していただけると思います(あくまでもイメージとして大げさに表現しています。実際の傾きは図よりかなり小さいです)。

図の左側「片刃」がユニバーサルエッジです。

参考までに両刃の場合の刃の傾け方についても書きました。




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◎みじん切り終盤の対策


玉ねぎのみじん切り終盤のコツは、「左傾斜の玉ねぎに対して安全に刃先を乗せること」です。

これを簡単に書くと「包丁を左に傾ける」なのですが、それも含めて細かく書くと以下になります。


・「包丁の傾き」→左に傾けることで刃先が乗りやすくなります


・「親指で玉ねぎをおさえる」→第一関節のケガを防ぎます


・「研ぎ角の鋭角さ」→研ぎ角が鋭角なほど食材の左傾斜の影響を受けにくくなります


・「切れ味の良さ」→食材への「乗り(かかり)」が良くなり刃が乗りやすくなります


・「低圧スライド切り」→食材への「乗り(かかり)」が良くなり刃が乗りやすくなります


上記のような理由から、玉ねぎのみじん切りの終盤作業のポイントは、「包丁を左に傾けること」と、動画のように「親指を使うこと(猫の手を使わないこと)」が大切です。

さらに補足として、包丁の切れ味が良いことは、大前提です。

切れ味が悪いと食材に対して刃の「乗り」が悪くなり、玉ねぎの上で刃が滑ってしまい、結果的に玉ねぎを厚く切ることになるため、思ったより粗いみじん切りになってしまいます。

また、低圧スライド切りは切れ味を良くする効果があり、傾斜している玉ねぎの表面でも滑りにくくなります。





◎「右傾斜の食材」は切りやすい


ユニバーサルエッジで食材を薄く切る場合、精神的にも理屈的にも右傾斜の食材の方が薄切りがしやすいです。

興味のある方は以下の写真を参考にしていただき、実験してみてください。

右傾斜の食材を薄切りにしたときと、左傾斜の食材を薄切りにしたときでは、切り心地や仕上がりが違うことがはっきりとわかると思います。

右傾斜の方が左手で支えやすいこともあり、一層切りやすいと感じるはずです。


右傾斜で薄切り(安全で押さえやすく切りやすい)

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左傾斜で薄切り(右傾斜と比較して安全度が低い・食材を抑えにくいので不安定・刃が左に向けて滑りやすいので食材が厚く切りがち)

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【備考】

下図のように、両刃の場合は薄切りをすると包丁が右に滑り落ちることがあります。

そのため刃付けの角度や切れ味の良し悪しに応じて右に傾けて切る必要があり、これが両刃のデメリットと言えます。

※刃先が鋭角で切れ味が良いほど滑り落ちにくいため、右に傾ける度合いが少なくなります


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以上です。

玉ねぎのみじん切り、野菜の薄切りの参考になればと思います。

 
 
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