包丁の切れ味には大きく4つの要素があり、最初の切り込みに大切な要素が「刃先の仕上がり」です。
刃先の仕上がりを10段階で考えた場合、究極の切れ味が10、包丁メーカーの仕上げが9、家庭で手軽に維持できる最高レベルが8となり、私は、家庭レベルでは「レベル8」の切れ味で充分だと考えています。
※「レベル8」の切れ味 ―ユニバーサルエッジの切れ味について―
レベル10の切れ味(究極の切れ味)の目安として、丸めた紙の筒を切ることができるかどうか試されることがありますが、PROCEEDはレベル8なので、新品状態のままでは紙の筒を切ることはできません。
しかし現代の刃物用金属はどれも優れているため、包丁の切れ味は「砥ぎ方」に依存します。
つまり、「どんな包丁でも、砥ぎにコストをかければ紙の筒を切れるようになる」ということです(ダイソーの100円の包丁でも紙の筒を切ることができるそうです)。
今回はそれを実証するために、「レベル8」の切れ味のPROCEEDで紙筒切りができるか実験しました。
実験の場所は、私が普段仕事をしているレストランの「包丁なんでも相談室」、砥いでくださったのは、レストランの近所にある民宿の若旦那、「けんた」さんです。
砥ぎ方や砥石の研究を楽しんでいるうちに、持っている砥石は40個になったそうです。
具体的な作業は、下図「切れ味の4要素」の「1接触」にある内容です。
新品のPROCEEDの刃先は下図の「一般」ですが、「究極(赤丸部分)」に砥ぎ直していただきました。
私は砥ぎの様子を見学
普段とは違う環境の中でがんばってくれました
◎4~5種類の砥石を使って20分後
1000番から砥ぎ始め、おしゃべりしながら12000番まで作業が進み、約20分後・・・
切れました(゚Д゚;
◎結果
砥ぎ方次第でPROCEEDでも紙筒切りができることがわかりました。
当日は試験的に3丁の包丁を砥ぎ、3丁ともすんなり紙の筒が切れたわけではないのですが、包丁と砥石の相性などの良い組み合わせを見つければ、切れる可能性はさらに上がると思います。
ご家庭でも、2~3種類の砥石と10分ほどの時間を使えば、「レベル10」の切れ味を体験できそうです。
興味がある方は挑戦してみてください。
若旦那の「けんた」さん、今回は実験にお付き合いいただき、ありがとうございました。
秋晴れの青空の下、とても楽しい時間でした(^^