●「包丁なんでも相談室」ができた経緯
私は2014年12月から、静岡県にあるレストランでカフェ経営の勉強を始めました。
当初カフェ経営に興味があり、3ヵ月間の滞在予定で経営ノウハウを学ぶつもりでしたが、お店のマスターが使っていた片刃に砥いだシェフナイフの「切れ方」に感動し、包丁の勉強をするようになりました。
その包丁はとても便利で、客席数40以上、メニュー数30以上のレストランの仕込みを、1あだけでこなすことができました。
しかし、包丁の勉強や実務を重ねていくうちに、もっと便利な包丁を作ることができるとわかり、「理想の包丁」を作ることが私の夢になっていきました。
包丁の図面を書いています
まだ「結」も作っていない4年前の写真です
「結」の実演販売をすることになったとき、レストランの常連さんにお客さんになっていただき、練習しました。
4年前の写真ですが、今思うと、このときから「包丁なんでも相談室」は始まっていたのかもしれません。
理想の包丁を作るためには、包丁ユーザーの声を直接聞くことも重要になり、そのアプローチとしてできたのが、2021年4月から始まった「包丁なんでも相談室」です。
レストランのオーナー夫妻の許可を得て、4人掛けの客席の一角を私の専用ブースにしていただきました。
入店するとすぐに目に入る包丁なんでも相談室の「看板」のおかげもあり、毎日複数のお客様から直接声をいただけるようになりました。
飲食のオーダーを受け、待ち時間の間にアンケートに答えていただくこともでき、様々な情報交換の場になりました。
※「100人アンケート」はその一例です
包丁なんでも相談室では、包丁の使い方、砥ぎ方などをお伝えするほかに、家庭用包丁の砥ぎサービスも行っています
包丁を持参してくださる方が増えただけでなく、様々な使い方による様々な刃線を見ることができ、私の砥ぎのスキルも上がった気がします。
また、質問に対してしっかり答えたいという気持ちから、わからないことがあれば「実験」をするようにもなりました。
株式会社を立ち上げた現在も、お客様の声を直接聞くために、ほぼ毎日開催しています。
包丁を使うお客様の声を直接お聞きします
【いろいろな人が集まる場所へ】
「包丁なんでも相談室」には、一般の方々だけでなく、包丁業界のみなさんにも来ていただきました。
メーカーの社長や営業担当の方など、私は包丁の話を始めると止まらなくなります(^^♪
意外な展開で楽しかったのは、包丁メーカーの社長にキューリの切り方を教えた経験です。
そんな経験から気づいたことが、包丁業界の人だからと言ってみなさんが包丁を使えるわけではない、ということでした。
「包丁なんでも相談室」に来てくださった包丁業界の方でインスタグラムの掲載許可をいただいたのが、昨年11月、奥様とツーリングがてら遊びに来てくださった、貝印の砥ぎマイスター「林泰彦」さんです。
仕事ではなくプライベートでの来店でしたが、砥ぎや包丁の話だけでなく、バイクの話などスタッフ一同楽しくおしゃべりしました。
直近では、刃物鋼材メーカーの社長が来てくださる予定です。
私は「サービス業出身・包丁を使う側」なので、「どうやって喜んでいただこうか」と単純に考えてしまうクセがありますが、包丁を作る側のみなさんとおしゃべりしていると、「利益とのバランス・既存の包丁が売れているので新商品開発には手が回らない」など、違う視点からの意見も聞くことができ、とても勉強になります。
私は「包丁なんでも相談室」を、「包丁関係のいろいろな人が集まる場所」にしたいと考えています。
●「包丁チャレンジ」を始めた経緯 「包丁なんでも相談室」では、2022年4月から「包丁チャレンジ」というイベントを常時開催しています。
このイベントは、ユニバーサルエッジ(片刃のシェフナイフ)を含み、私が持っている包丁から好きな包丁を選んでいただき、野菜をいかに美しく切れるかを競うイベントです(マイ包丁持参もOK)。
「包丁なんでも相談室」の1周年の記念として、お店のオーナー夫妻が提案してくださり、始めることになりました。
包丁チャレンジのポスターには「Noriko先生に挑戦!キレイに切れたら飲食代が全品無料!」と書いてくださいました。
※2022年10月まではユニバーサルエッジのことを「片刃のシェフナイフ」と呼んでいました
野菜を切るだけのイベントなのですが、その「種目」は日本人にとってなじみ深いものばかりです。
切る野菜と出来上がりの判定はお客様に決めていただき、私が切った野菜よりキレイに切れたら飲食代が本当に無料になります。
私が連敗してしまうとお店の経営に関わるのですが・・・今のところ無敗です (^^♪
プロの方も数人参加してくださり、それぞれご自分の得意分野で挑戦してくださるのですが、やはりユニバーサルエッジ以上に切ることはできず、記念に「PROCEED(現在発売中のユニバーサルエッジ)」をご購入くださったこともあります。
私が無敗の理由は、私に最高の技術があるからではなく、「ユニバーサルエッジ」のような新しいカテゴリーの包丁のおかげです。
最近は「PROCEED」を購入していただく機会が多いので、無敗記録ももうすぐストップするかもしれません。
「包丁チャレンジ」はほとんど毎日開催しています。
みなさんのチャレンジをお待ちしています。
以上、「包丁なんでも相談室」と「包丁チャレンジ」についてでした。
余談:
先日、ふるさと納税の返礼品として、3本目のPROCEED(PROCEEDはユニバーサルエッジ度80%の包丁です)を出荷しました。
これからも私の理想の包丁「ユニバーサルエッジ」を普及するために、地道に活動を続けようと思います。
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