両刃の刃付けの種類
- tihal86
- 7月14日
- 読了時間: 3分
更新日:8月2日
今回は「両刃」の刃付けの種類について整理したいと思います。
◎無数にある刃付けの種類
2025年現在、家庭用万能包丁の99%以上が「両刃」の刃付けで販売されています。
また、そのほとんどが「左右兼用」として販売されています。
たしかに両刃包丁には「左右兼用」というメリットがありますが、厳密な意味で左右兼用と言えるのは、左右対象の刃付けの場合だけです。
包丁メーカーの砥ぎ職人や一般家庭の人など、「人間」が砥石で砥いだ場合「刃先厚・砥ぎ角度・砥ぎの割合」など、砥ぎ項目の組み合わせによって無数の刃付けが存在します。
無数の刃付けが存在するということは、「知人宅で料理をする・料理教室に通う・学校の調理実習・新しい包丁を買った」などの状況で違和感を感じることになり、細かく言えば、その場その場でその包丁の刃付けに合わせた技能が必要になります。
また、両刃は刃付けがそれぞれ違うということは、「砥ぎ」についても基準がなく、場合によっては混乱が生まれることになります。
「両刃」の刃付けには以下のような要素があり、その組み合わせは無数です。
1:刃の厚さ
2:刃の角度
3:左右切り刃の砥ぎの割合A
4:左右切り刃の砥ぎの割合B
5:切り刃の断面形状
これに加えて、「刃先には糸刃をつけなければならない(図の6)」という考え方を実践すると、刃付けの種類はさらに増えることになります。

ということで、両刃には無数の刃付けがあり、普段と違う包丁を使うときには違和感が伴います。
それを理解した上で、その刃付けに合わせた切り方ができるようになれば、包丁を使うことがより楽しくなるはずです。
余談:
以前完全片刃のユニバーサルエッジを使ってくださった包丁料理人「おいり」さんは、普段両刃の包丁を使っています。
しかしユニバーサルエッジを使ってすぐにその刃付けに慣れてしまい、慣れた後の包丁さばきは本当に見事で、私も楽しくなりました。
当時の様子は以下のブログ内の「◎第3話」にあります。
「包丁料理人おいりさんの動画に出演しました」
おいりさんのYouTubeチャンネルでも紹介されています。
【伊豆編③】刃離れ包丁 ユニバーサルエッジ体験 片刃の洋包丁PROCEED
◎補足1
上記に加え「左右非対称の刃付けの意味と謎」というブログも参考にしてください。
◎補足2
「割り込み包丁は完全な両刃に保たなければならない」と思っている人も多いかもしれませんが、現代の割り込み包丁は片刃に近い刃付けや、完全片刃の刃付けも可能です。
万能包丁の刃付けのヒントになると思います。
※昔と現代の割り込み包丁の違い ―芯材5㎜の謎―
◎ユニバーサルエッジの刃付け
最後になりますが、以下「ユニバーサルエッジの刃付け」です。
ユニバーサルエッジの刃付けは、理論上最も単純な刃付けです。

砥ぐのは片側だけなので、「左右の砥ぎ比率や角度を調整する」という概念がありません。
両刃の刃付けは世界中で無数に存在するのに対して、ユニバーサルエッジの刃付けは単純明快な「世界共通」の刃付けです。
参考までに、ユニバーサルエッジの刃付けについては以下のブログがあります。
「最も単純な刃付けが生み出す効果」
以上です。
なにかのヒントになればと思います。