私が普段使っている包丁は、切っ先とアゴを少し丸めています。
今回は、「切っ先とアゴを丸める理由」と「どの程度丸めるか」についてです。

<切っ先とアゴを丸める理由>
私は家庭用包丁は、「切っ先」と「アゴ」を少し丸めることが大切だと考えています。
理由は主に以下の3つです。
1:手や指のケガを防ぐため
2:包丁を洗うときにスポンジが切れるのを防ぐため
3:包丁を拭くときにタオルが破れるのを防ぐため
1:手や指のケガを防ぐため
切っ先とアゴを丸めないと、不意に手や指が当たってケガをすることがあります。
また、切っ先に乗せた指が滑り落ちたときも、ケガをすることがあります。
8年前に仕事を始めたころ、切っ先やアゴを丸めておけばケガをしなかったと思う場面が何度もあり、4年前に「結」を設計したときは、切っ先とアゴをほんの少し丸めることにしました。
以後、「結」を使っているときに切っ先とアゴでケガをしなくなりました。
※万一包丁を落としたときに足のケガも軽減できます
2:包丁を洗うときにスポンジが切れるのを防ぐため
スポンジでアゴ部分を洗うときに、切っ先とアゴを丸めていないと、スポンジに引っかかりやすく、スポンジが切れてしまうことがあります。
また、ネットスポンジの場合は、ネットが切れて中のスポンジが出てしまうことがあります。特にアゴを丸めておくと、その度合いが減ります。
3:包丁を拭くときタオルが破れるのを防ぐため
洗った包丁をタオルで拭くときに、切っ先とアゴを丸めていないと、タオルに引っかかりやすく、タオルに穴が開いたり、切れてしまったりすることがあります。特にアゴを丸めておくと、その度合いが減ります。
<どの程度丸めるか>
丸めすぎるとジャガイモの芽を取ったり袋を破ったりするような作業ができなくなるため、丸めすぎは避けています。
厳密に測ることはできませんが、Rで表現すると、私の丸め方はR0.5~R1程度だと思います。 (R1=半径1㎜のカーブ)
以下の写真をご覧ください。
A:未処理の包丁「GLOBAL-IST」
B:私が使っている包丁「結」(丸め処理済み)
C:アゴの処理の度合いが強い包丁「貝印 旬」
A:未処理の包丁「GLOBAL-IST」
切っ先とアゴが未処理なので、いつかケガをすると思います。
これほど鋭い切っ先とアゴを必要とする作業はないので、気になる方は角を丸めたほうがいいと思います。


B:私が使っている包丁「結」
切っ先もアゴも程よく丸めてあり、ケガを防ぎつつ作業性もキープできます。
下記「切り方メドレー」の動画中にアゴを使った作業の様子があります。
包丁は結ではありませんが、同じ処理をしてあります。


切り方メドレー
C:アゴの処理の度合いが強い包丁「貝印 旬」
(切っ先は私が処理したので写真はありません)
私が所有している包丁でR3~R4に処理をしているものは「旬」だけです。
(子ども用包丁は除く)
Cの包丁は、新品では切っ先は未処理で危険ですが、アゴはかなり大きく丸めてあり、新品でR3~R4のような雰囲気です。 ただし、これではアゴを使った作業に支障が出るかもしれません。

まとめると以下のような表になります。

以上です。
切っ先とアゴの丸めは必要だと思います。
ただし、道具として使えなくなるほど丸めすぎるのは良くないと思います。
ほんの少し、ケガをしない程度に丸めることが大切です。