研究用としてペティナイフを購入したところ、刃線の乱れが気になったので「シームレス砥ぎ」を使って直してみました。
購入したペティナイフ
アゴ付近の数センチに乱れがあります
※レンズの位置の関係なのかハンドルが曲がっているように見えますが、実際は正常です
拡大 一部に乱れがあります
新品状態で刃線が乱れている包丁は珍しくなく、切り離れが悪くなるほどの刃線も見かけます。
刃線が乱れるのは、刃付けの最後の仕上げが人間の手作業によるものだからです。
不慣れな職人はもちろん刃線が乱れますが、慣れている職人でも、考え事をしていたり、体調が悪かったりすれば刃線が乱れることがあります。
また、同じ包丁でも刃付けが違うことがあり、人間の手作業による不安定さを感じることがあります。
◎シームレス砥ぎの効果
今回のペティナイフの刃線は小さな乱れでした。
ペティナイフの用途を考えれば作業にはほとんど問題なかったのですが、美しい刃線の方が気持ちが良いので、シームレス砥ぎで乱れを直しました。
シームレス砥ぎは、包丁をしならせて刃線を一度に全部砥ぐため、出ているところを中心に圧力がかかり、乱れを整える効果があります。
5分ほどの作業で以下のようになりました。
刃線がここまで整えば、好みの番手の砥石で1分ほど砥げば仕上がります。
拡大
シームレス砥ぎには、乱れた刃線を整える効果の他に、「刃が減りにくい」「一度に全部の刃線を砥げる」「作業時間が早い」「簡単」などのメリットがあり、とても便利です。
刀身にある程度の「しなり」が必要になりますが、刃渡り180㎜までの一般的な家庭用万能包丁なら対応できると思います(高価な包丁ほどしなりにくい傾向です)。
家庭でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
シームレス砥ぎの方法などは以下の記事を参考に。
以上です。
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