家庭用万能包丁を選ぶときのポイントについて書きます。
包丁選びのポイントは、大きく分けて「デザイン」「機能」のどちらかになりますが、ここでは「機能」をメインに書こうと思います。
◎機能を見るポイント
刃渡り、峰厚、重さ、刀身の素材、ハンドルの材質、ハンドルの作り、刀身の形状、刀身のしなり、刃幅、峰の処理、切っ先の処理、アゴの処理、アゴ上の処理、価格などがポイントです。
各ポイントの詳細は以下です
・刃渡り
180㎜~195㎜
大きな食材にも対応できる刃渡りです。
また、195㎜あれば、刃渡りを全て使うことで美しい断面を作ることができます。
・峰厚
1.5㎜~1.8㎜
「母材厚」とも表現します。
単純には言えないのですが、峰の厚さが2㎜以上ある包丁は、高価で重い傾向があります。
同じ刃付けなら、刀身が薄いほど切れ味が良いと感じるので、最大1.8㎜以下がオススメです。
1円硬貨が1.5㎜・500円硬貨が1.8㎜です。
硬貨を包丁の峰に当てて厚さを測ることができます。
・重さ
150g前後(120g~180g)。
重心位置の好みもありますが、私の経験上150g前後がバランスが良いです。
・刀身の素材
ステンレスの単一素材。
どのような刃付けをしても問題のない単一素材(全鋼)がよいと思います。
ステンレスの中でも、モリブデンバナジウムと呼ばれるものが私は好きです。
「ステンレスはハガネと比較して研ぎにくい」という意見もありますが、私の経験上、全く問題ありません。
ハガネと比較すると研ぎにくいかもしれませんが、ステンレスにはそれ以上のメリットがあります。
・ハンドルの材質 ステンレス(オールステンレスの包丁)・積層強化木・POMなど、ある程度の重さがあり防水性の高いハンドルがオススメです。
材質がよくわからないときは、デザインで選ぶのもありです。
・ハンドルの作り 継ぎ目なしの滑らかな口金。
強度的にも口金は大切ですが、長く使うほど衛生面で口金の効果が発揮されます。
・刀身の形状
シェフナイフ。
どんな作業にも使えるシェフナイフの形状がオススメです。
・刀身のしなり
切っ先側半分がしなりやすいもの。
しなりやすいということは、ハンドル側から切っ先にかけてテーパー加工ができていることになり、硬いものを切っ先側の薄い部分で切ると切りやすくなります。
また、シームレス砥ぎがやりやすくなります。
・刃幅
43㎜~47㎜
まな板と指のクリアランスが2㎜以上あると使いやすいです。
刃幅が50㎜以上になるとハンドルからアゴまでの距離が長くなり、皮むきがやりにくくなります。
・峰の処理
しっかり面取りしてあるもの。
人差し指のケガや痛みを防ぎます。
・切っ先の処理
少しでもよいので角が丸めてあるもの。
処理は簡単なのですが見つかりにくいかもしれません。
・アゴの処理
少しでもよいので角が丸めてあるもの。
なかなか見つからないので、自分で紙ヤスリで加工するのもありです。
・アゴ上の処理
アゴのすぐ上の刀身の断面が面取りがしてあるもの。
これも自分でやってみるのもありです。
・価格
1万円以下。
各部面取りについては処理済みの包丁は見つかりにくいですが、その他上記条件に合う包丁は、5千円ほどから売っています(中国産ではありますが上記条件を満たし2千円台のものもあります)。
1万円以上の包丁は、峰厚2㎜以上になり、包丁の重さが重くなる傾向があります。
また、150g前後の重さで1万円以上の包丁は、デザイン料や広告料などで高価になっている場合がほとんどです。
アリエクという中国系のサイトで、同じものが半額で買える場合があります。
その理由は、日本が中国に外注して作っているものを、中国が自社製として売っている場合があるためです。
私個人の感覚ですが、安価で高性能の中国産包丁が増えている傾向にあると感じています。
備考:砥石とまな板
簡易シャープナーで砥ぐと刃線が乱れて食材の切り離れが悪くなるので、私は砥石で砥ぐことをオススメしています。
私の最近のお気に入りは、SK11レジンダイヤモンド6000番です。
日本のサイトで買うと1万円前後、アリエクスプレスで買うと6千円ほどで購入できます。
また、まな板は、三洋化成のやわらか系のまな板です。
やわらか度大の「エラストマーやわらか抗菌まな板(EKW-L」と、やわらか度中の「やわらか抗菌まな板(KSN-LW)」があります。
私は両方持っていますが、普段は後者を使っています。
以上、参考になれば嬉しいです。