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ロール式砥ぎ器 ―ロールシュライファーって?

更新日:2023年11月5日


「あのコロコロまわす砥ぎ器っていいんですか?」と質問をいただきました。 すでに、3年以上前に発売されたものだと思いますが、「ロールシュライファー」という研ぎ器についての質問でした。 ロールシュライファーは、新しい考え方の簡易シャープナーです。 マグネットによって、決められた角度に包丁を固定し、砥石を動かして砥ぎます。 よかったら検索してみてください。 私は使ったことはありませんが、参考動画などを見て感じた心配な点は以下のようなことです。 ・アゴが砥ぎにくい(口金が当たる) ・切っ先が砥ぎにくい(ただし「ソリ」がない包丁は研ぎやすい) ・鉄粉が付着して刀身に傷が入る(刀身が磁化する・刃が上を向いている) ・落ちた鉄粉の処理が心配 ・危険な感じ(刃が上を向いている) ・性能のわりに高価(コスパが悪い) ・管理に手間がかかる(部品が多くネジ式の砥石を使っている) 以下詳しく説明します。




◎アゴが砥ぎにくい(口金が当たる)


包丁によってはロールシュライファー本体が口金に当たってしまい、アゴを砥ぐことができない、または砥ぎにくい場合があるようです。






◎切っ先が砥ぎにくい(ソリがない包丁は砥ぎやすい)


ソリがない包丁は研ぎやすいのですが、ソリのある包丁は直線運動だけで研ぐことができないので、カーブを描くように本体を動かしながら砥ぐ必要があります。 下図は横から見たものです。 茶色がロールシュライファー本体(左が角度固定器・右が砥ぎ器の2部品構成)、緑が円形の砥石、グレーが包丁の刀身です。

包丁は刃先が上になるように取り付けます。 わかりやすいように、極端に角度をつけてみました。




そして下図が上から見たものです。 わかりやすいように強いそりのある洋包丁の設定にしてみました。 切っ先を砥ぐには赤い矢印の方向に動かす必要があるため、初めは慣れが必要かもしれません。 公式サイトの動画でも、図のような動きをするか、切っ先だけ細かく往復させる動きでうまく砥げるという説明がありました。



ソリの強い矢印の部分を砥ぐのに工夫が必要です

























◎鉄粉が付着して刀身に傷が入る(刀身が磁化する・刃が上を向いている)



刀身に傷が入る理由は「乾式+マグネット+刃が上」という条件のためです。 水で濡らす湿式の場合は、鉄粉が水と混ざりますが、ロールシュライファーは、マグネットで固定し、乾式かつ刃が上を向いているため、鉄粉が重力で下に落ち、磁化した刀身にくっつきやすいと思います。 研削力が高いダイヤモンド砥石を使った場合は、特に鉄粉が落ちやすくなります。 磁化した刀身についた鉄粉は水で洗い流すだけでは落ちないものがあり、無造作に布で拭きとってしまうと刀身に傷が入ることがありそうです。

※マグネットによる刀身の磁化についてはこちらも参考にしてください マグネット式包丁ホルダーについて https://www.katabayui.com/post/magnet






◎落ちた鉄粉の処理が心配


乾式なので、作業台に落ちた鉄粉を拭き取る必要があります。 人体に悪影響はないと思いますが、鉄粉を拭き取ったタオルで包丁の刀身を拭いてしまうと細かい傷がつく場合があります。






◎危険な感じ(刃が上を向いている)


刃が上を向いている状況に慣れていないためか、私は危険な感じがしました。 私の先入観だけかもしれませんが、切っ先側を砥ごうとして力を入れたとき、本体から包丁が外れてしまうことがあると、それを慌てておさえようとしてケガをしてしまうのではないかと感じました。






◎性能のわりに高価(コスパが悪い)


価格が3万円というのは、家庭用万能包丁の研究をしている私にとっては、高価な気がしました。 関係部品も高価で、「ブランド品」という感じです。






◎管理に手間がかかる(部品が多くネジ式の砥石を使っている)

本体を含め、少なくても4つ以上の部品があり、さらに砥石を増やすとその分だけ部品が増えます。 砥石がネジ式なので、管理に少し手間がかかる気がします。 以上が私が考える心配な点です。

デザイン的に「オシャレな感じ」がするので、高価なナイフを優雅に砥ぐという状況にはぴったりかもしれませんが、やはり乾式研磨で出る鉄粉が高価な刀身に傷をつけないか気になります。 ロール式では「ロールシュライファー」が有名ですが、以下のようなものもありました。 オススメするわけではありませんが、参考までに紹介します。

主な違いは、ロールシュライファーの設定角度が2種類なのに対して5種類というところです。 写真にある一番高価なセットでもロールシュライファーの3~4分の1程度の価格です。 品質や使い心地についてはわかりませんが、マグネット式の砥石なので、ネジ式の砥石のロールシュライファーより扱いやすいと思います。 もうひとつのロール式砥ぎ器(アリエクスプレスサイトより抜粋)



以上、「あのコロコロまわす砥ぎ器っていいんですか?」の答えでした。

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