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グローバル「G-46」のカスタム ―ユニバーサルエッジになるか―

数名のお客様から「グローバルの包丁をユニバーサルエッジにカスタムできますか?」という問い合わせをいただきました。



私は以前、グローバルのアドバイザーをしていた経験があり、グローバルの包丁は10種類ほど所有しています。



三徳包丁の「G-46」をカスタムしたところ、結果はほぼ予想通りでした。

G-46は、グローバルの主力商品なので、多くの方々の参考になればと思います。


結論は「ユニバーサルエッジの刃離れ効果だけでよければカスタムできます」です。

※左側のハマグリ刃の影響が少し残り、極薄切りには適しませんでした

極薄切りに完全片刃が適している理由はこちら




ユニバーサルエッジにカスタムするには、「刀身の厚さ・金属の硬さ・刃先の厚さ・刀身の強度配分」などが適していませんでしたが、単純に刃離れ効果を出すだけなら、カスタムは可能でした。

ただ、刀身も刃先厚も厚いため、硬いものを切るときの切り込み抵抗は「PROCEED」や「千切り名人」より強く感じました。

もちろん柳刃や薄刃のような片刃の和包丁を使っている人なら問題なく使えます。


あとは「砥ぎ直し」ですが、シームレス砥ぎに対応できない刀身強度のため、刀身をしならせずに砥ぐ「ポイントシームレス砥ぎ」という砥ぎ方が必要になります。金属が硬いだけでなく、切り刃の幅もあり、砥ぐのに時間も必要になります。

また、ハンドルが細めで口金付近の強度が低いため、重みのある刀身とアンバランスな感じがあります。これは和包丁のテイストを微妙に感じる重心バランスなので、小回りが利きにくい印象がありました。


左側面




右側面(ユニバーサルエッジに刃付け後)




いずれにしても、G-46は、ユニバーサルエッジとしては厚みがある設計です。




グローバルの包丁で優れた設計だと思うのは、IST-01(万能包丁)です。

ただし、名前のように万能性は高いですが、刀身は厚い部類で、重く小回りはききにくいです。

ペティナイフとセットで使うことを前提にした設計だと思います。


IST-01





余談ですが、オールステンレスで手軽にユニバーサルエッジにカスタムするなら、貝印の「ポップスター」か、下村工業の「ネオヴェルダン」が、安価でコスパが良く、ある程度高い性能を発揮します(高価な包丁ほど使いやすいわけではないので、私は安価な包丁も好きです)。


通常、砥ぎ師にお願いするとユニバーサルエッジへのカスタムは1000円以上の砥ぎ代がかかります。

押し売りするつもりはありませんが、G-46はそのまま両刃で使い続け、3500円のユニバーサルエッジ「千切り名人」を購入した方が合理的かもしれません。



ということで、「グローバルの包丁をユニバーサルエッジにカスタムできますか?」の答えは「刃離れ効果だけでよければカスタムできます」です。



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