スライド切りには、大きく分けて刃渡りを長く使う「低圧スライド切り」と、刃渡りを短く使う「高圧スライド切り」があり、場面に応じて使い分けます。
●低圧スライド切り
刃渡りを長く使い、優しく切る切り方です。
切っ先から切り始め、アゴで切り終わる「刃渡り全体」を使って切るイメージです。
基本的に柔らかいものを丁寧に切るときに使います。
薄切りの時には刃の乗りが良く、食材から刃が滑り落ちにくくなります。
柔らかい食材に対しても浅く鋭い切り込みができ、切るためのきっかけ作りになります。
「レタスの千切り」「皮つき鶏もも肉」「輪切りをできるだけ薄く切る(崩れを防ぐ)」「アボカドの薄切り」「刺身」「ピーマンの横けんの細切り」などに役に立ちます。
切った食材の断面にツヤが出るので、野菜や刺身など生で食べる場合に有効です。
●高圧スライド切り
短い刃渡りでコンパクトに切ります。
比較的硬い野菜を素早く薄切りにするときに便利です。
例としては、ニンジン・ダイコン・キュウリの輪切りです。
※硬いものを「乱切り」にするときは、食材がずれないように上からの圧力で押さえつけながら切るため、「スライドスイング切り」を使うことが多くなります
動画は前半が「低圧スライド切り」、後半が「高圧スライド切り」です。
断面のツヤに違いがあることがわかると思います。
切れ味は、包丁に使われる鋼材の違いよりも、切り方の違いの方が大きな影響があります。
「切り方と切れ味の関係」という記事もよかったらご覧ください。
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