写真は普段私が使っている包丁(モリブデンバナジウム)です。
みなさんはこの包丁が錆びていると思いますか?それとも錆びていないと思いますか?
金属と錆びの関係については、包丁選びのポイントのひとつです。
最近は、包丁に使われる金属について業界の方とお話する機会があり、
私自身も「金属と錆びの関係」についてどう表現したらわかりやすいか考えています。
「錆びる」というと、2つの見方があります。
ひとつは、「理論上」の錆び、もうひとつは、「実用レベル(見た目)」の錆びです。
理論上、どんな金属でも錆びるそうです。
錆びにくいと言われるステンレスも錆びるということになりますが、
私の経験上、モリブデンバナジウム(ステンレスのひとつ)と呼ばれているものは、実用レベルでは錆びないように感じます。
私が普段使っている「結」と、結の元になった「F-875改(藤次郎)」の刀身の錆びのチェックをしてみました。
写真は両方とも「モリブデンバナジウム」と呼ばれる素材でできた包丁です。「結」は主に私が3年、「F-875改」は主にお店のマスターが8年ほど使っています。
毎日仕事で使い、酸が強いと言われる「レモン」も切ります。
「メンテナンス」は、洗剤で洗ってタオルで拭いて置いておくだけで、作業時間にして10~15秒ほどです。
2本とも錆びはなく、私自身、切った食材から錆びのニオイや味を感じることはありません。お客様からの指摘もありません。
「錆びない包丁はありません」と言う意見は理論上、正解ですが、
私は「実用レベル」では、「モリブデンバナジウムは錆びませんよ」とお伝えしたいと思います。
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