​質問コーナー

 

​​

Q1:片刃は両刃より使いにくいと聞きますが、実際はどうですか?

A:昔の片刃包丁は使いにくかったと思います

日本の伝統的な「鋼の片刃構造の和包丁」は、刃の厚みが3~4ミリと厚く、

「片刃構造・厚みによる切り込み抵抗」の両面から、「片刃は使いにくかった」というのは事実です。

しかし現在は、モリブデンバナジウムなどのステンレス合金が開発され、以前より刃を薄く作ることができるようになり、

刃が薄くなったことにより「軽量化」「適度なしなり」「切り込み抵抗の軽減」が実現しました。

包丁の軽量化は手首の疲労を軽減し、適度なしなりはシームレス砥ぎ(Q5で解説)を可能にし、切り込み抵抗の軽減は、

片刃のデメリットを最小限に抑えました。そのため、片刃のデメリットよりも、メリットが勝るようになりました。

以下、片刃の苦手分野と言われる「硬いものの分断」の動画をご覧いただけば、

片刃がデメリットにならないことがおわかりいただけます。

 

 

 

【参考】

新素材の登場により片刃のデメリットが目立たなくなった現在、以下のようなメリットが注目されています。

・研ぎやすい(片方しか砥ぐ必要がないため)

・切り離れが良い(▼動画参照)

※動画前半が一般の包丁(両刃)、後半が結(片刃)です

切り離れの違いが一目瞭然です

・切れ味が良い(砥ぎ角が片方なので両刃より鋭角になるから)

・薄切りや千切りの作業効率が良い

・薄切りや千切りが繊細にできる

Q2:シェフナイフで薄切りや千切りをするとき、「スイング切り」をする人が多いのはなぜですか?

A:主に以下の5つの理由が考えられます。

1:西洋生まれのシェフナイフは、包丁を砥ぐときに「砥ぎ棒」を使うことが多いから

アゴ付近の「刃線」が乱れ、まな板との間に隙間ができることがあり、スライド切りでは「切り離れ」が悪くなります。

その結果、刃線が乱れても切り離れを確保できる刃先の方を使い、スイング式で切るようになったと思われます。

一方、日本の包丁は、砥石を使うので刃線を滑らかに保つことができ、効率の良い「スライド切り」が使えます。

2:食材が動いてしまうから

薄切りにした食材を千切りにするとき、スライド切りで切ると包丁の動きに合わせて食材が動いてしまうため、

上から押さえるスイング系の切り方になります。包丁を砥ぎ、左手の置き方を工夫することで解決する場合がほとんどです。

3:先輩から教えてもらったから

新品のシェフナイフは、刃線が乱れていませんからスライド式の切り方ができますが、

先生や先輩からスイング式の切り方を教えてもらった場合、スイング式で切り続けることになると思われます。

4:持ち上げるのに力を必要とするから

「スライド切り」は、包丁を全て持ち上げる必要があるため、大型のシェフナイフを使う場合、

切っ先をまな板につけたまま切る「スイング切り」の方が腕が疲れにくい場合があります。

そのため、刃線が乱れていなくても、「スイング切り」で切ることがあると思われます。

5:スライド切りをまだ知らないから

刃線が直線的に作られる薄刃包丁(和包丁)を使う人なら、「スライド切り」の効率の良さはよく理解していますが、

現在、一般家庭では直線部分が少ない三徳やシェフナイフが主流になっているため、

刃の構造上、切り離れを確実に確保するため、無意識にスイング切りをしている人が多いように感じます。

「結」は、刀身の手前半分の刃線をほぼ直線とし、薄刃包丁の特徴を持たせています。

以下の動画を比較していただくとわかるように、左の「スライド切り(和包丁の世界では「刻み・突き切りと表現することも」)」を練習していただければ、きっとその素晴らしさ、気持ちよさを感じていただけます。

 

6:まな板がへこんでいるから(主に木のまな板の場合)

まな板がへこんでいると、切り離れを確保するためにスイング系の切り方になります。

切った食材を移動するときに包丁の刃を使うと、まな板がへこみやすいので、包丁の峰側を使って食材を移動するとよいです。

 

【参考】

「結」は片側のシームレス砥ぎ(Q5で解説)なので、作業時間が短く、刃線を美しく保てます。

また、160グラムという重さは、スライド切りでも腕が疲れにくい重さです。

和洋両方の切り方に対応できるハイブリッドキッチンナイフです。

P1010132.JPG
P1010127.JPG
 

​Q3:動画のように切り離れません​

A:新鮮な野菜ほど、切り離れが良い傾向があります。鮮度だけでなく、それぞれの野菜によっても切れ方に違いがあるようです。

動画のように切り離れない場合は、詳しい状況をお伝えください。

ヒントをお伝えできるかもしれません。

 
 

Q4:硬い野菜を切る時にまっすぐに切れません

A:片刃のシェフナイフ特有の「刃付け」によるものです。大根や玉ねぎなどを半分に切るときに、この抵抗を感じやすいかもしれません。片刃のシェフナイフは、長所が多い半面、「硬い食材を半分に切る」という作業が唯一の不得意分野と言えます。この現象は、以下の動画のように包丁を少し左に傾け、切っ先側を使って切ることで解決します。

P1010132.JPG
P1010127.JPG
 

Q5:結の砥ぎ方を教えてください

A:下記の動画のような砥ぎ方がお勧めです(シームレス砥ぎ)。

結は、刃の強度に適度なしなりを持たせ、簡単で確実な「シームレス砥ぎ」ができるような設計になっています。

長さ210㎜以上、粒度6000番以上の砥石を使います。

砥石は、予め水に浸しておいてから使用することが多いですが、

粒度6000番以上の砥石は、砥ぐ直前に砥石全体に水をかればそのまま使用できます。
「予め水に浸しておく」という手間が省けるため、短い時間で砥ぐことができます。

砥石の対角線上に刃を乗せ、20度程度刃を起こし、そのまま動画のように研ぎます。

最後は刃の左側の「かえり」を軽く取り除いて終わります。

砥ぐ頻度と時間は、一般家庭で通常使用の場合、3日に1回、1分程度です。

(包丁の使用頻度によって変わります)

​​私は以下の砥石を使っています。

 

普段の砥石として(シームレス砥ぎ用)

シャプトン 刃の黒幕 クリーム 超仕上 #12000

 

修正砥石・荒砥ぎ用として

​シャプトン 刃の黒幕 オレンジ 中砥 #1000

P1010231.JPG
P1010234.JPG

Q6:砥ぎ棒や簡易シャープナーを使ってはいけませんか?

A:できれば「砥石」をお使いすることをお勧めします。理由は2つあります。

1:「刃線」が乱れやすいから

砥ぎ棒や簡易シャープナーでは、刃線の中心部分に力が入りやすくなり、刃線が乱れてしまいます。特に、包丁のアゴ部分の砥ぎがおろそかになりやすく、刃とまな板の間に隙間ができてしまいます(下写真参照)。この刃線が乱れた包丁では、安全で効率的な「スライド切り」をしたときに切り離れが悪くなり、切り離れを確保しようとすると、必然的に「スライドスイング切り」になってしまいます。スライドスイング切りはスライド切りと比べ、「動きが大きくなるため時間がかかる・ケガをしやすい・刃とまな板が減りやすい」などのデメリットがあります。

 

 

​​刃線の乱れによるデメリットは以下の画像と動画を参考にしてください。 

砥ぎ棒や簡易シャープナーでは、赤線の部分を強く砥いでしまうため刃線が乱れ、アゴが高くなり、刃とまな板の間に隙間ができてしまいます。

​上の写真のように刃線が乱れた包丁で「スライド切り」をすると、食材が切り離れません

​​​​​刃線が乱れると、切り離れを確保するため必然的に「スライドスイング切り」になります。

​​2:ノコギリ刃になり包丁の寿命が短くなるから

砥ぎ棒や簡易シャープナーは、刃をノコギリのようにギザギザに砥ぐことで、

食材への食いつきを良くし、切れ味を増すという考え方です。

ノコギリ刃は「鋭さ」ではなく「ひっかかり」で切断をしていますので、刃の減りが早くなり、包丁の寿命が短くなります。

▼簡易シャープナーで砥いだ刃先の画像▼

刃を痛めてしまうので砥ぎを途中でやめましたが、実際はもっとギザギザになってしまいます。

 

▼砥石で砥いだ刃先の画像▼

​簡易シャープナーに比べてキレイで滑らかです。

​以上が、砥ぎ棒や簡易シャープナーを使わない理由です。

砥石でシームレス砥ぎをすることで、早く砥ぐことができ。効率の良い「スライド切り」をすることができます。

目の細かい砥石を使うので包丁の寿命も長くなります。

砥ぐ部分.jpg
隙間.jpg
IMG_3427.JPG
IMG_3433.JPG
IMG_3516.JPG
IMG_3518.JPG
 
 

​​​Q7:砥石のメンテナンスはどうしていますか

A:1000番の砥石を12000番の砥石と擦り合わせ、面を平らに保っています。

動画のように水をつけながら数十秒こすり合わせることで、砥石表面の金属紛がなくなります。

1000番の砥石は、小さな刃こぼれのときに役立つだけでなく、

砥石の面を平らに保つための「修正砥石」も不要になり、一石二鳥です。

おすすめは、長さが210ミリあり、シームレス砥ぎに適した「シャプトン・刃の黒幕」です。

アマゾンで買うと、1000番と12000番で合計8000円前後です(2018年10月現在)

 

​​​Q8:結の素材がステンレスなのはなぜですか?

A:総合的に考えて鋼よりステンレスが優れているため、結はステンレスを採用しています。

 

ステンレスは鋼と比べて「刃が欠けにくい」、「刃が薄くできる」、「手入れが簡単」、といった特徴があります。

ステンレスは鋼と比べて粘り強いため(靭性が高い)刃欠け、刃こぼれがしにくいです。そのため刃を薄くすることができ、切り込みが軽くなります。刀身のしなりを利用して砥ぐ、「シームレス砥ぎ」も簡単にできます。

また、ステンレスは鋼と比べて錆びにくいため、手入れが簡単で、食材に錆びのにおいがつきにくいです。

 

靭性を高めるために鋼の刃をステンレスで挟む「割込み包丁」がありますが、刃先は鋼なので、刃欠けや参加のデメリットは残ります。※酸化しにくい包丁としてセラミックを使用している包丁もありますが、鋼と同じように靭性に乏しいため、すぐにかけてしまいます。

 

鋼のほうが切れ味が優れているとされていますが、「結-yui-」の切れ味は家庭用の包丁としては不足がない範囲です。

※以下の鶏もも肉を切る動画で切れ味をご確認ください。

 

▼鶏もも肉動画▼

 

​▼包丁の重みだけで細切れにしています▼